運動系/筋肉/骨格筋/骨格筋と神経/受容器/筋紡錘/図説
赤い楕円が骨格筋、空色の楕円が筋紡錘、筋紡錘の両端についている横紋が錘内筋、筋紡錘から離れている横紋が錘外筋(骨格筋の筋線維)である。
向かって左端の図: 骨格筋(錘外筋)を支配しているα運動神経も、錘内筋を支配しているγ運動神経も活動していない(-)。そのため、骨格筋(錘外筋)も錘内筋も弛緩(-)している。この状態では、筋紡錘(青い楕円)は、ある程度伸展しており(楕円が細長い)、筋紡錘の感度は保たれている(+)が、発射はしていない(-)。
左から2番目の図:通常は起こらない状態である。α運動神経(+)ならびに、支配されている骨格筋(錘外筋)が活動(+)しており、γ運動神経(-)と錘内筋(-)とは弛緩している。筋紡錘から離れている横紋である骨格筋(錘外筋)が、左端の図より密になっていて、収縮していることを示している。筋紡錘の両端についている横紋である錘内筋は、左端の図と同様、疎であり、収縮していない。骨格筋の収縮により、錘内筋の両末端の距離は(左端と比べて)小さくなる。錘内筋の長さは短くならないので、筋紡錘は伸展されなくなる。筋紡錘の形が(左端の楕円に比べて)丸くなっていることに注目。これは、筋紡錘の感度が低下することを意味する。
結論としては、γ運動神経と錘内筋との活動(収縮)がない状態で、α運動神経と錘外筋とが活動(収縮)すると、筋紡錘の感度は低下する。
左から3番目の図:2番目の図とは違いは、γ運動神経と錘内筋との活動(収縮)である。これは、α-γ連関によってもたらされる、正常な収縮状態である。筋紡錘の両端にある、錘内筋の横紋が、2番目の図よりも密になっていることに注目。これにより、錘内筋の両末端の距離が(左端と比べて)小さくなっても、筋紡錘は、(左端と同様に)ある程度伸展しており、筋紡錘の感度は保たれている(+)。
結論としては、α運動神経と錘外筋、ならびにγ運動神経と錘内筋の4者が、同時に活動(収縮)すれば、筋全体が短縮しても、筋紡錘の感度は保たれる。
左から4番目の図:3番目の図と同様、α運動神経と錘外筋、ならびにγ運動神経と錘内筋の4者が、同時に活動(収縮)している。この状態で、筋全体が(黄色い矢印で)伸展されたのである。この場合、収縮した錘内筋よりも筋紡錘の方が柔らかいため、錘内筋は伸展されず、筋紡錘が伸展される(青い楕円がすごく細い)。筋紡錘は、かなり発射(++)し、Ia求心性線維を通じて脊髄に活動電位を送る。
向かって右端の図:筋紡錘>>全体像、で学んだように、筋紡錘からの求心性線維(Ia線維)は、脊髄において、その筋を支配している2次運動神経細胞の細胞体と、興奮性シナプスを形成している。そのため、筋が伸展される(左から4番目の図)と、その筋のα運動神経と錘外筋との活動(収縮)が高まり(++)、筋が短縮するように反射がはたらく。