泌尿器系/腎臓/血漿浸透圧調節/説明に動静脈が入っている、以前の複雑な説明/集合管の働き
集合管内の水分は,腎実質の高い浸透圧に引かれ,管壁にある「水チャンネル」を通って再吸収されています.
下図は,集合管や血管の断面の「模式図」です.左の1列は尿細管系です.右の1列は血管系です.水面の高さで流量を表すために少しウソの図です.濃さは,腎実質,尿,血しょうの浸透圧を表しています.
最上段 腎動脈に流入する血しょうです.流量は約500 mL/分で浸透圧は約290 mOsm/kgです. 2段目 集合管の様子です. 左側 腎血しょう流量500 mL/分のうち,約1/5,すなわち,100 mL/分がろ過され,尿細管系に入ります.ろ過液(原尿)はほぼ等張です.遠位尿細管の出口,すなわち,集合管の入口までに水分の約95%が再吸収されますので,流量は約5 mL/分です.また,遠位尿細管では,Na+が水分よりも多く再吸収されるのです.そのため,集合管の入り口では,尿細管液は低張です. 右側 仮想の血管です.集合管におけるモノの移動がすべて失われた場合に腎静脈の血しょうはコウナルを描いているのです.腎動脈に流入する血しょうから遠位尿細管液を引いたモノ,すなわち,流量が約495 mL/分の高張液です. 中央 集合管壁には「水チャンネル」,すなわち,水が通る穴があります.集合管内の水分は周囲の腎実質の高浸透圧に引かれて,出ていきます.この水分は血管によって除去されます.結局,矢印のように水分は水チャンネルを通って,集合管から血管へ再吸収されます.注意!!「仮想血管」の方が浸透圧が高いのですが,これが集合管の水分を引く浸透圧を呈しているのではないのです. 3段目 腎静脈(右側)と腎盂,尿管(左側)との様子です.集合管における水分再吸収のため,集合管液は濃縮され,減量します.約1 mL/分の尿が集合管を出ます.水分が血管へ移動するため,血しょうは増量され,希釈します.腎動脈中の血しょうが完全に等張である場合,尿も腎静脈の血しょうも等張になるように水分は再吸収されます. 4段目 大動静脈の様子です.ここの浸透圧が視床下部でモニターされています.血しょう流量は安静時,約3,000 mL/分です.
Challenge Quiz
集合管には「水チャンネル」があり.水は 分泌 再吸収 されている.
通常(血漿浸透圧が等張の時)、集合管を流れることにより集合管液の濃度は 希釈(浸透圧が低下) 濃縮(浸透圧が上昇) され.尿の量は 増量 減量 する。
通常(血漿浸透圧が等張の時)、集合管の働きにより血漿の濃度は 希釈(浸透圧が低下) 濃縮(浸透圧が上昇) され、血漿の量は 増量 減量 する。
腎臓において皮質の浸透圧は髄質の浸透圧より 高い 低い .
水分の再吸収は近位尿細管と遠位尿細管との働きであり.集合管では行われていない. 正 誤
集合管の入口は 腎皮質 腎髄質 にある.
集合管の出口は 腎皮質 腎髄質 にある.
集合管入口における集合管液の浸透圧は血漿浸透圧 より低い と等しい より高い 。
集合管の働きがなかったとしたら、腎静脈の血漿は 低張 等張 高張 になる。
集合管入口における集合管液の量は.通常 1 mL/分 5 mL/分 10 mL/分 35 mL/分 100 mL/分 3000 mL/分 である.