循環器系/心臓/心室の壁、筋/心電図/投射の原則
3次元心臓ベクトルの誘導方向成分の大きさに比例して、心電計の針は振れる。 |
初めに、心電図を語る前に「ベクトル」とは何かを復習しましょう。「ベクトル」は、「大きさ」と「方向」を持っていて、矢印で表されます。
まず「心臓ベクトル」を想定しましょう。代表的な波であるQRS波(心室脱分極による波)として記録される「心臓ベクトル(ループ)」は、厚い心室のある方向(正常人では左、下、後方)を向いています。当然、「心臓ベクトル」は左右、上下、前後成分をもつ立体ですので、「3次元心臓ベクトル」と呼びましょう。(心電図でQRS波などが記録されるためには時間が経過するわけです。この時間に関しては後述します。)
3次元心臓ベクトルが平面に投射されて生じた2次元ベクトルは、その平面に垂直な光によって生じた3次元ベクトルの影です。
たとえば、図において、左下後方を向く3次元心臓ベクトルがあります。これは(逆三角形の)前額面に垂直な光によって投射され、前後成分を失い、左右上下だけの成分がある2次元心臓ベクトルになります。
さらに、誘導とは直線状であり、電波を拾うアンテナのようなものです。
(逆三角形の)前額面において、第Ⅰ誘導は水平な左右方向の誘導です。そこに2次元心臓ベクトルが(第Ⅰ誘導に垂直な上下方向の光で)投射されると、第Ⅰ誘導に左右方向成分だけの1次元心臓ベクトルになります。
この1次元心臓ベクトルの電気により、心電計の針が振れるのです。
誘導方向の1次元心臓ベクトルの大きさに比例して振れます。心電計の針はこの大きさに比例して振れます。
この図の3次元心臓ベクトルは、前の図よりも左方向成分が大きいです。そのため、心電計の針は前の図よりも大きく振れます。
2次元心臓ベクトルと、誘導とが直交している場合、その誘導には電圧は発生せず、心電計の針も振れません。
この図の3次元心臓ベクトルは真下を向いています。第Ⅰ誘導(左右)方向の成分はありませんので、心電計の針も振れません。
誘導には、方向だけでなく極性があり、これにより心電計の針の振れが陽性方向か陰性方向かが決定しています。
例えば、第Ⅰ誘導では、左方向が陽性で、右方向が陰性です。そのため、この図の3次元心臓ベクトルでは右下後方向を向いており、右方向成分だけが第Ⅰ誘導に投射され、心電計の針は陰性に振れます。
Challenge Quiz
3次元心臓ベクトルが平面に投射されて生じた2次元ベクトルは、その平面に垂直な光によって生じた3次元ベクトルの影である。 正 誤
誘導とは 平面であり、影を映すスクリーンのようなもの 直線状であり、電波を拾うアンテナのようなもの である。
誘導方向の1次元心臓ベクトルの大きさが、電圧の大きさであり、心電計の針はこの電圧に比例して振れる。 正 誤
「心臓ベクトル」と誘導とが 垂直 平行 のとき、その誘導における心電計の針の振れは大きい。
「心臓ベクトル」と誘導とが 垂直 平行 のとき、その誘導における心電計の針の振れはゼロである。
誘導には、方向だけでなく極性があり、これにより心電計の針の振れ の大きさ が陽性方向か陰性方向か が決定している。
「3次元心臓ベクトル」が図の様な方向を向いているとき、心電計の針は第I誘導において 陽性に振れる 振れない 陰性に振れる 。
「3次元心臓ベクトル」が図の様な方向を向いているとき、心電計の針は第I誘導において 陽性に振れる 振れない 陰性に振れる 。
「3次元心臓ベクトル」が図の様な方向を向いているとき、心電計の針は第I誘導において 陽性に振れる 振れない 陰性に振れる 。
「3次元心臓ベクトル」が図の様な方向を向いているとき、電計の針は第I誘導において 陽性に振れる 振れない 陰性に振れる 。
「3次元心臓ベクトル」が図の様な方向を向いているとき、心電計の針は第I誘導において 陽性に振れる 振れない 陰性に振れる 。
「3次元心臓ベクトル」が図の様な方向を向いているとき、心電計の針は第I誘導において 陽性に振れる 振れない 陰性に振れる 。