呼吸/フローボリューム曲線/原理と正常
フローボリューム曲線は、文字通り、(通常は最大努力で呼息した場合の)呼息した呼気の量(ボリューム)を横軸とし、その量を呼気した時の流速(フロー)を縦軸とした曲線である。 |
肺活量が4Lの人が最大吸息から最大呼息まで1 L/secの流速で呼息すると、(直線となる)呼吸曲線は左図(赤線)のようになります。縦軸が(肺の中の気体の量である)肺気量ではなく、最大吸息から呼息した呼気量であることには注意しましょう。動画で時間の経過を確認しましょう。
これを反時計方向に90度回転し、呼気量を横軸、時間を縦軸とすると、左図の上段(赤線)となります。それぞれの呼気量(横軸)における流速(下段縦軸)は1 L/secで一定です。下段(青線)が(直線的な) フローボリューム曲線です。動画で時間の経過を確認しましょう。
(肺活量4リットル)の同じ人が最大吸息から最大呼息まで4 L/secの流速で呼息すると、(直線となる)呼吸曲線は左図(赤線)のようになります。動画で時間の経過を確認しましょう。
これを反時計方向に90度回転し、呼気量を横軸、時間を縦軸とすると、左図の上段(赤線)となります。それぞれの呼気量(横軸)における流速(下段縦軸)は4 L/secで一定です。下段(青線)が(直線的な) フローボリューム曲線です。動画で時間の経過を確認しましょう。
(肺活量4リットル)の同じ人が最大吸息から、最初の1Lを1秒間(1L/secの流速)で、次の2Lを0.5秒間(4L/secの流速)で、最後の1Lを2秒間(0.5L/secの流速)で呼息すると、(直線の組み合わせとなる)呼吸曲線は左図(赤線)のようになります。動画で時間の経過を確認しましょう。
これを反時計方向に90度回転し、呼気量を横軸、時間を縦軸とすると、左図の上段(赤線)となります。それぞれの呼気量(横軸)における流速(下段縦軸)は最初の1Lが1L/sec、次の2Lが4L/sec、最後の1Lが0.5L/secで下段(青線)のような(直線の組み合わせとなる) フローボリューム曲線になります。動画で時間の経過を確認しましょう。
これがフローボリューム曲線の原理です。時間-速度の曲線ではありません。Area under the curveの面積が努力肺活量と勘違いをしていけません。また、フローボリューム曲線には時間が表記されていない点も気をつけるべきです。
実際に、肺活量が約4Lの人が最大吸息から最大呼息まで最大努力で呼息すると、呼吸曲線は左図(赤線)のようになります。縦軸が(肺の中の気体の量である)肺気量ではなく、最大吸息から呼息した呼気量であることには注意しましょう。動画で時間の経過を確認しましょう。
これを反時計方向に90度回転し、呼気量を横軸、時間を縦軸とすると、左図の上段(赤線)となります。動画で時間の経過を確認しましょう。
呼息において<最初>に流出する呼気は上気道、気管、気管支などの太い気道を通った呼気です。 フローボリューム曲線における初期のピーク(最大呼息速度)は太い気道を通る呼気の流速となります。
呼息において初期のピークの後に流出する呼気は、肺胞管など末梢の細い気道を通った呼気です。 フローボリューム曲線における初期のピークの後の下降部分は、細い気道を通る呼気の流速となります。
逆方向となる吸息を含めてFlow-Volume Loopとすることも多いのですが、ここでは呼息だけを勉強しましよう。
Challenge Quiz
フローボリューム曲線の横軸は 肺気量 呼気量 時間 流速 である。
フローボリューム曲線の縦軸は 肺気量 呼気量 時間 流速 である。
フローボリューム曲線では 呼気量 時間 流速 は表記される。
フローボリューム曲線では 呼気量 時間 流速 は表記されない。
フローボリューム曲線における初期のピーク(最大呼息速度)では 上気道、気管、気管支などの太い気道 肺胞管など末梢の細い気道 を通った呼気の流速である。
フローボリューム曲線における初期のピーク(最大呼息速度)後の下降部分では 上気道、気管、気管支などの太い気道 肺胞管など末梢の細い気道 を通った呼気の流速である。