内分泌系/第4章:下垂体前葉ホルモン、その1/糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)/クッシング症候群/デキサメタゾン/クッシング病(下垂体性ACTH産生腫瘍)
下垂体からのACTH分泌が亢進している。血中濃度は、CRH低下、ACTH上昇、糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)上昇である。
糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)の血中濃度が高くなっても、第1章:総論/上級編/ホルモン生産性(ホルモン産生)腫瘍/「法則3」のとおり、負のフィードバックによって分泌は抑制されない、と学んだ。実は、これは、下垂体性ACTH生産性(産生)腫瘍に関しては、半分だけ正しい。糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)が下垂体性ACTH生産性(産生)腫瘍にかけている負のフィードバックは×ではなく、△なのである。すなわち...
合成副腎皮質ホルモンであるデキサメタゾンを少量投与すると、「副腎皮質ホルモンの血中濃度上昇」と少し認識され、負のフィーバックによる抑制が少しかかる。しかし、抑制が弱く、下垂体からのACTH分泌は亢進しつづける。副腎皮質からの糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)分泌、ならびに代謝物である17-OHCSの尿中排泄は、ACTHの血中濃度に依存するため、亢進し続け、抑制されない。
合成副腎皮質ホルモンであるデキサメタゾンを大量に投与すると、「副腎皮質ホルモンの血中濃度上昇」と強く認識され、負のフィーバックによる抑制が強くかかる。この強い抑制により、下垂体からのACTH分泌は抑制される。ACTHに依存している副腎皮質からの糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)の分泌は低下し、その代謝物である17-OHCSの尿中排泄は低下する。
Challenge Quiz
クッシング病では、デキサメタゾンを少量投与すると、尿中17-OHCS排泄量.血中コルチゾル濃度は 抑制される 不変である 増大する 。
クッシング病では、デキサメタゾンを大量投与すると、尿中17-OHCS排泄量.血中コルチゾル濃度は 抑制される 不変である 増大する 。