内分泌系/第4章:下垂体前葉ホルモン、その1/糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)/クッシング症候群/まとめ
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Cushing病 | 異所性ACTH症候群 | 副腎皮質腺腫 | |
概念 | 下垂体におけるACTH生産性(産生)腫瘍による2次的糖質コルチコイド分泌亢進 | 肺癌など下垂体、副腎系と無関係の箇所に発生したACTH生産性(産生)腫瘍による2次的糖質コルチコイド分泌亢進 | 副腎皮質腺腫による糖質コルチコイド分泌亢進 |
フィードバックの病態 | ACTH分泌亢進はあるが、糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)のACTH分泌に対する負のフィードバックは高い血中濃度で作用している。 | ACTH分泌亢進があり、糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)のACTH分泌に対する負のフィードバックは作用していない。 | 副腎皮質腺腫による糖質コルチコイド分泌亢進のため、負のフィードバックにより、下垂体からのACTH分泌が長期間低値であるため、萎縮し、コルチゾルの分泌、血中濃度が低値になっても、下垂体からのACTHが亢進しない。 |
症状 | Cushing症侯群の症状 | ||
・下垂体腫瘍による症状(耳側半盲、頭痛など) | ・腫瘍発生箇所特有の症状 | ・腹部腫瘍による症状 | |
ACTH分泌亢進による色素沈着 | |||
ACTH | 高値:本症の主病態 | 高値:本症の主病態 | 低値:負のフィードバックによる |
デキサメタゾン少量抑制試験 | デキサメタゾン(合成副腎皮質ホルモン:代謝されても17-OHCSにならない)0.5 mg / 6 hr × 48 hrを投与。正常人では、下垂体からのACTH分泌に負のフィードバックがかかり、尿中17-OHCS<3mg/24hr、血中コルチゾル濃度<5microgrm/dlまで抑制される。 | ||
抑制されない | 抑制されない | 抑制されない | |
デキサメタゾン大量抑制試験 | デキサメタゾン(合成副腎皮質ホルモン:代謝されても17-OHCSにならない)2 mg / 6 hr × 48 hrを投与。正常人では、下垂体からのACTH分泌に負のフィードバックがかかり、尿中17-OHCS、血中コルチゾル濃度が抑制される。 | ||
抑制される | 抑制されない | 抑制されない | |
メチラポン試験 | コルチゾルの11位水酸化を阻害する試験。正常人では、コルチゾルが生成されず、下垂体からのACTH分泌に対して負のフィードバックがかかり,ACTH分泌が亢進する。これは、副腎皮質を刺激するが、11位の水酸化ができないため、コルチゾルは生成されず、血しょう11-デオキシコルチゾルが著明に上昇し、その代謝物である17-OHCSの尿中排泄が増大する。 | ||
著明に上昇 | 上昇しない | 上昇しない |
Challenge Quiz
1.
異所性ACTH症候群 副腎皮質腺腫 正常人 クッシング病 では、尿中17-OHCS排泄の量は正常人と同レベルである。
2.
クッシング病 異所性ACTH症候群 副腎皮質腺腫 正常人 では、尿中17-OHCS排泄の量は増大している。
3.
異所性ACTH症候群 クッシング病 副腎皮質腺腫 正常人 では、メチラポン試験により、尿中への17-OHCS排泄は増大しない。
4.
クッシング病 異所性ACTH症候群 正常人 副腎皮質腺腫 では、メチラポン試験により、尿中への17-OHCS排泄は増大する。