クエン酸(クレブス、TCA)回路の主生成物は水素である。 |
アセチルCoAはクエン酸回路に入ります。
アセチル基には炭素原子が2つ入っています。クエン酸(=アセチルオキサロ酢酸)に水が加わると、アセチル基が分解され、二酸化炭素2つと水素8つとエネルギーとが取り出されます。
取り出された結合エネルギーによりアデノシン2リン酸(ADP)にリン酸が結合し、アデノシン3リン酸(ATP)が生成されます(※)。
ここでのATP生成も「基質レベルのリン酸化反応」です。
アセチル基を水素、二酸化炭素、結合エネルギーにまで分解していて「概論/エネルギー代謝/エネルギー代謝の全体像/はじめに」の「クリーンエネルギー化」が完結したわけです。
また、オキサロ酢酸はクエン酸(クレブス、TCA)回路の「ベルトコンベア」のような働きをしています。それは、オキサロ酢酸にアセチル基が結合してできたクエン酸は、クエン酸(クレブス、TCA)回路を1回転すると再びオキサロ酢酸に戻るためです。
※クエン酸回路が直接的にADP+P→ATPをもたらすわけではなく、まずGTPが生成され、次にGTPのエネルギーでADP+P→ATPが起こります。このレベルでは、「クエン酸回路(で取り出された結合エネルギー)により」ATPが生成する、との理解で十分です。