一歩一歩学ぶ生命科学

大動脈は分岐をくりかえし、細動脈となり、さらに分岐して毛細血管となります。どの分岐においても、血管の直径は小さくなりますが、分岐後の血管断面積の和は、分岐前の断面積よりも大きくなります。毛細血管の総断面積は、上行大動脈よりも約1,000倍ほど大きい。

これらの特徴のため、血流は大動脈で速く、毛細血管では遅くなります。また、分岐により、血圧も低下します。1回の心拍動による血流の緩急である脈流は、毛細血管ではみとめられなくなります。

分岐により血圧が低くなるため、管壁は分岐のたびに薄くなり、毛細血管は一層の内皮細胞のみからなります。以上の特徴により、大動脈は遠方へ血液を運搬するのに有利であり、毛細血管は、局所において血液と細胞との物質交換に有利です。

Challenge Quiz

1. 動脈の分岐により、直径は 大きく 小さく なる。
2. 動脈において、分岐後の血管断面積の和は、分岐前の断面積よりも 大きい 小さい
3. 動脈の分岐により、血流は 速く 遅く なる。
4. 動脈の分岐により、血圧は 高く 低く なる。
5. 動脈の分岐により、脈圧(最大血圧と最小血圧との差)は 大きく 小さく なる。
6. 動脈の分岐により、管壁は 厚く 薄く なる。