動脈の弾性により、拡張期の血圧が保たれている。 |
(図上段)正常な動脈壁には、輪ゴムのように、伸びて、縮む弾性があります。
心室が収縮して、血液が駆出されると、血圧が上昇し、動脈壁が血液により内側から押されます。(赤い外向きの縞矢印)
動脈壁に弾性があるため、内側から押されると拡大します。この拡大により、血液が動脈を押す力は弱くなり、血圧は下がり、収縮期血圧は 115 mmHg程度になります。血圧があるので、毛細血管にも血流はあります。
(図下段)心室が弛緩して、血液を駆出しなくなると、血液が動脈壁を押す力は消え、心臓による血圧はなくなり、心臓による血流はなくなってしまいます。 しかし、伸ばされた輪ゴムは縮みます。そのため、動脈は縮小し、動脈壁が血液を圧迫(赤い内向きの縞矢印)します。これにより、血圧は 75 mmHg 程度まで上昇します。つまり、動脈の弾性のため、心臓の拡張期でも、毛細血管に血流が保たれるのです。
収縮期血圧は心室の収縮により上昇します。一方、動脈の弾性のために、収縮期血圧は低下し、拡張期血圧は上昇する、とまとめられます。