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生産,分泌

下垂体前葉において生産、内分泌されている。


作用

成長ホルモンの主作用は骨の成長促進である。ただし、成長期が終わるのは成長ホルモンの分泌が停止するためではなく、骨にある受容体が変化するためと考えられている。また、軟部組織を肥厚させる作用もある。


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栄養素の代謝に対する影響が知られている。第一にタンパク質の合成が促進される。また、そのエネルギーを供給するため、トリグリセリドが分解され、血中の遊離脂肪酸が増加する。さらに、抗インスリン様作用のため、血糖が上昇する。


分泌調節


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成長ホルモンは「濃度重視型調節」を受けている。


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分泌調節は下垂体前葉、その2に分類される。すなわち、下垂体前葉からの成長ホルモン分泌は、視床下部から分泌される成長ホルモン放出ホルモン growth hormone-releasing hormone (GRH) によって亢進し、成長ホルモン抑制ホルモン growth hormone-inhibiting hormone (GIH)、別名ソマトスタチン somatostatin、によって低下する。成長ホルモンは視床下部からのGRH分泌に負のフィードバックをかけている。


GRHは睡眠、タンパク食、運動、低血糖、ストレスで分泌が亢進する、その結果、成長ホルモンの分泌も亢進する。GIHは高血糖により分泌が亢進する(糖尿病の患児では身長の伸びが悪いと報告されているSalardi S、Tonioli S、Tassoni P、et al: Growth and growth factors in diabetes mellitus. Arch Dis Child 1987;62:57-62)。


成長ホルモン分泌過剰による疾患


巨人症

先端巨大症:成長ホルモンの血中濃度が高値、糖尿病を併発、軟部組織肥厚による手根管症候群(‘手がしびれる’)、踵骨と足底皮膚面の最短距離が22 mm以上(‘靴が小さくなった’)、骨の変形(前頭洞拡大、下顎骨肥大、手足の末節骨の変形、眉弓上縁肥大)、下垂体腫瘍による変化(両耳側半盲、頭痛)。30%の症例で高プロラクチン血症。


症例検討


32歳女性。頭痛を主訴として受診。眉弓上縁と下顎の突出および手足の肥大をみとめる。血清成長ホルモン濃度 28 ng/ml (正常5以下),血清プロラクチン24 ng/ml (正常4-15)。診断:先端巨大症


成長ホルモン分泌低下による疾患


成人:特に症状なし

小児:小人症 身長<M-2SD、年間成長<M-1.5SD×2年

均整はとれている

二次性徴(+)、だが遅れることが多い

骨年齢<暦年齢×80%

検査所見:GH分泌刺激試験としてインスリン/アルギニン投与


Challenge Quiz

1.

運動、タンパク食、ストレス、などは成長ホルモンの分泌を 亢進 抑制 する。

2.

成長期が終るのは、成長ホルモンの分泌が停止することによる。

3.

成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性(腺)ホルモンなどは、骨の 形成 破壊 を促進する。

4.

成長期以降に成長ホルモン分泌が亢進すると、 巨人症 先端巨大症 となる。

5.

低血糖、運動、睡眠は、成長ホルモンの分泌を 亢進 抑制 する。

6.

成長ホルモンは、 視床下部 下垂体前葉 下垂体後葉 で生産される。

7.

成長ホルモンは、 視床下部 下垂体前葉 下垂体後葉 で分泌される。