呼吸/呼吸調節/中枢神経/概略

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2020年6月17日 (水) 13:29時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版
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大脳皮質の働き:意識的な機能(随意的運動、感覚)の中枢です。(「はい吸って、はいて」のような)随意的な呼吸 (voluntary respiration)では、脳幹(brainstem)の機能が一時的に抑制され、呼吸筋(respiratory muscles)に対して直接指令が伝えられます。この経路は延髄(medulla oblongata)の内側を通ります。

Bötzinger complex, PreBötzinger complexなどの吻側腹外側延髄(rostral ventral lateral medulla, RVLM)において、(睡眠時などの)不随意的呼吸の速さ(rhythm)と大きさ(pattern)とが生成(generator)されています。そのため、吻側腹外側延髄の障害では、種々の呼吸異常がもたらされます。徐呼吸 bradypnea、中枢性睡眠時無呼吸 central sleep apneaなどは、rhythm generatorの機能が低下するのですからイメージしやすいと思われます。また、呼吸の周期性が保たれなくなります(別記のCheyne-Stokes呼吸では周期性は保たれています)。吸息タイミングの安定性が低下してバラバラなタイミングで吸息します。これは、不規則呼吸irregular breathing、失調性呼吸 ataxic breathing、ビオー呼吸 Biot breathingなどと呼ばれています。