養護教諭/筋骨格/問診①:現病歴
筋骨格系の筋とは、骨格筋を指します。
筋骨格は骨格系に付着する筋肉で、運動をしたり姿勢を保ったり、関節を安定させて身体の肢位を保つ働きをします。
骨格系とは、骨・関節・靭帯・腱の総称です。
靭帯と腱はいずれも結合組織で、靭帯は骨と骨、腱は骨と筋肉とをつないでいます。
筋骨格系に異常がない場合でも、体の動きはすべて神経からの電気刺激によって起こるため、神経系に異常がある場合には、正常な動きを行うことはできません。
【アセスメント項目】
★1若年性特発性関節炎(JIA)
16歳までに発症する原因不明の慢性関節炎であり、ときに眼、皮膚、またはその両方に症状が出ることがある。
6ヶ月以上続く慢性の関節炎があり、他の膠原病や感染症、悪性腫瘍、整形外科的疾患等でなければJIAと診断される。
原因は不明であり、自己免疫疾患と考えられている。
関節のこわばりの他に、腫脹、熱感、圧痛、関節可動域の制限などがみられる。
関節を動かすと痛みが強くなることがあるため、歩くのをいやがったり、足を引きずることがある。
付着部炎によって、腸骨稜および脊椎、大腿骨大転子、膝蓋骨、脛骨粗面、またはアキレス腱および足底筋膜付着部の圧痛が引き起こされる。
成長および発達を妨げることがあり、下顎骨の骨端線早期閉鎖に起因する小顎症(退縮した顎)または肢長の不均等(通常は患肢が長くなる)が起こることがある。
眼異常としては、虹彩毛様体炎(前房および前部硝子体の炎症)がみられることがあり、通常は無症状であるが、霧視および縮瞳を引き起こすことがある。
病型によっては、乾癬、全身性のリンパ節腫脹、毎日の発熱を数週間繰り返すなどといった症状がみられることがある。
★2ペルテス病
4~8歳の男子に多く、小児長管骨端症の一つで、大腿骨近位骨端部が阻血性壊死をきたすことによって発症する。
症状は、股関節痛とそれによる跛行(歩行異常)。4~8歳では大腿から膝への痛みを訴えることもある。
また、初期には随意的な跛行を示す。
片側性に痛みを訴えることが多い。
★3大腿骨頭すべり症
10~17歳の男子に多く、約8割は高度の肥満。
大腿骨近位端で骨端部が脛部に対して後下方にすべる疾患である。
多くは徐々に発症し、股関節痛以外に大腿痛、膝痛を訴えることも多い。
股関節の可動域制限があり、運動制限や跛行がみられる。
片側性がら両側性に痛みを訴える。
★4野球肘
投球動作等の運動によって起こる骨端症。
上腕のスポーツ障害で小学生に多い。
肘関節や周辺軟部組織の炎症により、肘関節の内側や外側に痛みが生じる。
圧痛及び肘関節の伸展・屈曲に運動制限が症状としてみられる。
Challenge Quiz
靭帯は腱と骨とをつないでいる結合組織である。 ○ ✕
腱は骨と骨とをつないでいる結合組織である。 ○ ✕
筋骨格系に異常がない場合でも、正常な動きを行うことができないことがある。 ○ ✕
ペルテス病では、両側性に痛みを訴えることが多い。 ○ ✕
大腿骨頭すべり症は、10~17歳の男子に多く、約8割は高度の肥満である。 ○ ✕
野球肘は、上腕のスポーツ障害で中学生に多い。 ○ ✕