養護教諭/バイタルサイン/意識

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【意識とは】
意識は、生命を左右する重要なサインの1つです。
意識障害の程度は時間とともに変化するので、絶えず把握していくことが重要です。

【意識状態の測定で知ることができること】
・意識障害の有無
・意識状態を把握する

【JCS(ジャパン・コーマ・スケール)】
意識を観察する場合には、意識状態を数値化した評価スケールを用います。
評価スケールを用いることで、客観的かつ経時的な評価が可能となり、また緊急時でも迅速かつ的確に意識障害の程度を共有することが可能となります。
日本では、JCS(ジャパン・コーマ・スケール)が広く普及しており、救急隊員に引き継ぐ際にも有用です。

《JCS(ジャパン・コーマ・スケール)》

表-バイタルサイン-意識-JCS.jpg


まず、開眼の有無で大まかな覚醒度の評価を行います。
次に、詳細に反応を分類します。
得点が高いほど意識状態が悪いことを示し、意識清明の場合には「0」、刺激しなくても覚醒しているが自分の名前や生年月日が言えない場合には「3」のように表現します。

これに必要があれば以下の記号を付与します。
 R:Restlessness(不穏)
 I:Incontionence(失禁)
 A:Apallic(無欲状態)
不穏状態があれば、「20-R」のように表現します。

★1見当識
見当識とは、自分のおかれている状況を認識する能力のことで、この能力が障害された状態を見当識障害と言う。
「時間」「場所」「人物」について質問し、いずれか1つでも正しく答えられない場合は見当識障害があると判断する。
※この場合の「人物」とは、自分のことではなく他人のことを指す。
 日常的に接している家族や周囲の人を認識できるかどうかを確認する。

【身体を揺すり、刺激を与える際の注意点】
頭部外傷の可能性のある場合には、脊椎・脊髄損傷の可能性を考えて、頭・頸部を揺らさないように注意しましょう。

【痛み刺激の方法】
養護教諭の指で子どもの爪を挟み、爪の付け根を圧迫する(写真1)。
または、ボールペンなどで、爪の付け根を圧迫する(写真2)。

図-バイタルサイン-意識-痛み刺激の方法1.jpg
図-バイタルサイン-意識-痛み刺激の方法2.jpg


《JCSの他に意識障害の状態を表現する用語》

表-バイタルサイン-JCSの他に意識障害の状態を表現する用語.jpg




Challenge Quiz

1.

JCSにおいて、「刺激をしても覚醒せず、痛み刺激に対し払いのけるような動作をする状態」はいくつか。 1 2 3 10 20 30 100 200 300

2.

「時間」「場所」「人物」について質問し、いずれか1つでも正しく答えられない場合は、見当識障害があると判断する。

3.

大きな言語刺激によって反応するが、刺激が与えられないとすぐ眠ってしまう状態を何と言うか。 傾眠 昏迷 昏睡 錯乱 せん妄