循環器系/心臓/心室の壁、筋/心電図/心臓ベクトルループ/正常心電図のあらまし
ナビゲーションに移動
検索に移動
POINT!
正常心電図では、「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」は左下後方へもっとも広がるのだから、第I、aVF、V2誘導に投射されると、出現するQRS波の振れは、基本的に、それぞれ、陽性、陽性、陰性である。 |
正常な心電図における、代表的な誘導の振れの方向を検討してみると...
- 正常な人での「心室筋が相対的に厚い部位」は、左下後です。 では、心室筋活動の特徴をもっともよく反映する「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」を考えてみましょう。「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」は、「心室筋が相対的に厚い部位」、電気的活動の多い方向へもっとも広がるのですから...
- 正常人における「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」は、左下後方へもっとも広がります。 また、「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」が投射されて発生するのが、QRS波です。さらに、第I誘導の方向と極性は、左方向が陽性で、右方向が陰性ですから...
- 左下後方へもっとも広がる、正常な「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」が第I誘導へ投射されて出現するQRS波の振れは、基本的に陽性となり、R波が主な波です。 さらに、 aVF誘導は下方向を陽性、上方向を陰性とする誘導ですから、
- 左下後方へもっとも広がる、正常な「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」がaVF誘導に投射されて出現するQRS波の振れは、基本的に陽性であり、R波が主な波です。 さらに、 V2誘導はほぼ前方向を陽性、ほぼ後ろ方向を陰性とする誘導ですから、
- 左下後方へもっとも広がる、正常な「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」がV2誘導の投射されて出現するQRS波の振れは、基本的に陰性であり、S波が主な波、
というわけである。
「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」の | 実際の心電図 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
「心室筋が相対的に厚い部位」 | もっとも広がる方向 | 各誘導への投射 | ||||||
左下後 | 左下後 | 第I | 正常な「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」がaVF誘導に投射 | V2 | 第I | aVF | V2 | 全誘導 |
Challenge Quiz
1.
正常な心臓において、「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」がもっとも広がる方向、すなわち、「心室筋が相対的に厚い部位」は、 左 右 、 上 下 、 前 後 である。
2.
第I aVF V2 誘導は、 左 右 方向を陽性とする誘導であるため、正常な心臓の「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」が投射されて出現するQRS波の揺れは、基本的に 陽性 陰性 である。
3.
第I aVF V2 誘導は、 上 下 方向を陽性とする誘導であるため、正常な心臓の「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」が投射されて出現するQRS波の揺れは、基本的に 陽性 陰性 である。
4.
第I aVF V2 誘導は、 ほぼ前 ほぼ後 方向を陽性とする誘導であるため、正常な心臓の「心室筋脱分極中の心臓ベクトルループ」が投射されて出現するQRS波の揺れは、基本的に 陽性 陰性 である。