血液・骨髄・リンパ系/赤血球/貧血/無トランスフェリン血症

提供:一歩一歩
2014年11月18日 (火) 22:14時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
ナビゲーションに移動 検索に移動
POINT!


00419.jpg


無トランスフェリン血症では,トランスフェリンの欠損(太い矢印で図示)により貯蔵鉄が血清鉄として動因できず,ヘモグロビン生成が低下し,貧血になります.


無トランスフェリン血症の赤血球は,基本的に鉄欠乏性貧血と同じ病態ですから,小球性低色素性です.


無トランスフェリン血症では,上述の通り,貯蔵鉄(フェリチン)は動因されないために増大し,血清鉄は減少します.総鉄結合能, total iron-binding capacity (TIBC)は,基本的にはトランスフェリンの量ですから,無トランスフェリン血症では,大きく減少します.鉄を結合していないトランスフェリンである不飽和鉄結合能, unbound iron-binding capacity (UIBC)も,当然,減少します.2次的な変化として,(フェリチンが増大するため)血清フェリチンが増大します.この変化は細い矢印で図示してあります.


Challenge Quiz

1.

無トランスフェリン血症の主な病因は 鉄不足 デルタ-アミノレブリン酸(δ-ALA)の欠損、機能低下 トランスフェリンの欠損 トランスフェリンの減少 グロビン遺伝子欠損 赤血球に対する自己抗体 全能性幹細胞の分裂・分化能の低下 ビタミンB12、葉酸の欠乏 である.

2.

無トランスフェリン血症では. 赤血球だけではなく、全血球に分化する ヘム成分の一部を構成する 血清鉄を運搬する 酵素として作用し、鉄とポルフィリンとを結合する 補酵素として作用し、赤芽球のDNAを合成する 前赤芽球、赤芽球の分化・増殖を促進する 遺伝情報を保持し、グロビンを生成する トランスフェリンの欠損により. 貯蔵鉄が血清鉄として動員できず 血清鉄を貯蔵鉄にできず 血清鉄を造血に利用できず 鉄を吸収できず 老朽赤血球の鉄を貯蔵できず .ヘモグロビン生成が低下する.

3.

無トランスフェリン血症の赤血球は 大球性 正球性 小球性 . 正色素性 低色素性 である.

4.

無トランスフェリン血症では.貯蔵鉄が 減少 増大 .血清フェリチンが 減少 増大 .血清鉄が 減少 増大 .総鉄結合能.total iron-binding capacity (TIBC)は 減少 増大 .不飽和鉄結合能.unbound iron-binding capacity (UIBC)は 減少 増大 する.