内分泌系/下垂体後葉ホルモン/バゾプレッシン、抗利尿ホルモン(ADH)/病態生理学/ADH不適合分泌症候群(SIADH)(2013年版)
ADH不適合分泌症候群(SIADH)の主病態は、バゾプレッシン、抗利尿ホルモン anti-diuretic hormone (ADH)の分泌、血中濃度の上昇である。 |
ADH分泌調節_まとめと 負のフィードバックの異常_ 「原因」が多すぎる病態と を理解してから勉強しよう。
ADH不適合分泌症候群 syndrome of inappropriate secretion of ADH (SIADH)の主病態は、バゾプレッシン、抗利尿ホルモン anti-diuretic hormone (ADH)の分泌、血中濃度の上昇です。これにより、水チャンネルの数が増加します。そのため、尿細管に残る水分が少なくなり、尿の浸透圧は増大し、尿量が減少します。血漿の水分は多くなり、血漿浸透圧は低下します。すなわち、飲水などしていないのに水分負荷状態になってしまうのです。また、発汗していないのに尿量が減少してしまうのです。
血漿浸透圧の低下は、血漿浸透圧低下という「結果」が多い状態であり、負のフィードバックでは、「原因」を少なくしようとします。しかし、バゾプレッシン、抗利尿ホルモン anti-diuretic hormone (ADH)の過剰分泌が主病態であるため、負のフィードバックは働かず、うれしくありません。
Challenge Quiz
ADH不適合分泌症候群(SIADH)の主病態(変動)は 大量飲水. 大量発汗.ADH分泌の異常亢進. ADH分泌の異常低下. 水チャンネル数の異常増大. 水チャンネル数の異常低下 である。
ADH不適合分泌症候群(SIADH)では、尿細管における水チャンネルの数、水分再吸収量は 増大. 減少 している。
ADH不適合分泌症候群(SIADH)では、 飲水.尿量減少 により水分負荷となる。
ADH不適合分泌症候群(SIADH)では、尿量は発汗に より.よらず 減少する。
ADH不適合分泌症候群(SIADH)では、尿浸透圧は 上昇. 低下 する。
ADH不適合分泌症候群(SIADH)では、血漿浸透圧は 上昇.低下 する。