神経系/中枢神経系/脳/視床/非特殊投射系/機能

特殊投射核と異なり，大脳皮質全体に投射しています．そのため，非特殊投射核が活性化されると，大脳皮質全体の機能が高まり,意識レベルがあがります．　

網様体賦活核のステップで述べたように，感覚伝導路は，視床にいたる前に側枝を中脳網様体へ送っています．網様体はどの感覚路からの入力であれ，同じように活性化されます．出力は，視床の非特殊投射核へ送られています．視床の非特殊投射核は，大脳皮質全体に投射しているため脳幹網様体からの神経活動電位は，大脳皮質全体を活性化することになります．結果として，どの感覚受容器が刺激されても側枝，網様体，視床非特殊核を通じて大脳皮質全体の機能が高まり,意識レベルが上昇します．　目（網膜）からの神経活動が視覚野に届いただけでは，周囲が「見える!」だけなのです．周囲の様子が「わかる」ためには，記憶と照し合せるなど，さらにいくつかの過程が必要です．そのためには，視覚野だけでなく，大脳皮質全体の機能が高まらなくてはならないのです．そのためのシステムが，非特殊投射系です．