電解質と体液/肺、腎による酸性物質の排出と血漿緩衝系のはたらき/重炭酸緩衝系の作用
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POINT!
重炭酸緩衝系には1.水素イオン濃度(pH)とCO2濃度の迅速な調節作用と、2.腎臓と肺の負荷分担作用とがある。 |
激しい運動により筋肉細胞から乳酸(H+)が急激に血中へ放出された(左図:筋細胞内の酸(H+)↑。血中への移動の矢印が太くなった)とします。これは、血漿のH+濃度を増大します(pHを低下させる)。血中乳酸濃度は、激しい運動により1→5 mEq/Lなどと上昇し得ます。これは、pHを約0.4低下させ得ます。pHが7.4から7.0へ低下することは、致死的です。酸(H+)の排泄は、腎臓の仕事ですが、時間がかかってしまい、その間、pHは低下したままです。
しかし重炭酸緩衝系は、H+が増大すると、 H+ → CO2 の方向に化学反応が進行します(左図)。これは、放出されたH+を迅速にCO2に変換します。
重炭酸緩衝系の作用により、pHの低下を軽減させることができます(水素イオン濃度(pH)の迅速な調節作用)。また、これは、腎臓の負荷(H+の排出)の一部を、肺に分担させたことにもなります(負荷分担作用)。
Challenge Quiz
1.
重炭酸緩衝系によるpH調節は、腎臓によるpH調節より 速い 遅い 。
2.
重炭酸緩衝系により、腎、肺は、負荷を分担できる。 正 誤
3.
重炭酸緩衝系により、腎、肺は、負荷を分担できる。 正 誤
4.
運動により、筋から乳酸が血中に大量に放出された。血漿緩衝系がなければ、乳酸が遊離するH+は、pHを 小さく 大きく 低下させてしまう。しかし、血漿緩衝系の一部である重炭酸緩衝系はH+をCO2に変換することで、pHの低下を 大きく 小さく する。