「泌尿器系/腎臓/老廃物の排泄/クレアチニン・クリアランスの計算」の版間の差分
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<table border="1" cellpadding="2" cellspacing="0" summary="腎臓への置き換え"> | <table border="1" cellpadding="2" cellspacing="0" summary="腎臓への置き換え"> | ||
<tr><td> </td><th style="width: 160px;">家</th><th style="width: 240px;">体</th></tr> | <tr><td> </td><th style="width: 160px;">家</th><th style="width: 240px;">体</th></tr> | ||
<tr><th style="width: 150px;"> | <tr><th style="width: 150px;">よごれている所</th><td>部屋</td><td>血漿</td></tr> | ||
<tr><th>よごしているモノ</th><td>ゴミ</td><td>クレアチニン</td></tr> | <tr><th>よごしているモノ</th><td>ゴミ</td><td>クレアチニン</td></tr> | ||
<tr><th>よごれを運び出す媒体</th><td>ゴミ箱</td><td>尿</td></tr> | <tr><th>よごれを運び出す媒体</th><td>ゴミ箱</td><td>尿</td></tr> | ||
</table> | </table> | ||
と置き換えてみましょう。血漿という体の中のお部屋にクレアチニンというゴミあり、よごれているわけです。よごれはお掃除してキレイにしなければなりません。そのため、尿と言うゴミ箱に入れてよごれを運び出(排泄)しています。<br> | |||
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<table border="1" cellpadding="2" cellspacing="0" summary="腎臓への置き換え"> | <table border="1" cellpadding="2" cellspacing="0" summary="腎臓への置き換え"> | ||
<tr><td> </td><th style="width: 200px;">家</th><th style="width: 200px;">体</th></tr> | <tr><td> </td><th style="width: 200px;">家</th><th style="width: 200px;">体</th></tr> | ||
<tr><th style="width: 200px;">よごれ具合</th><td> ゴミ:5個/部屋1 m <sup>2</sup></td><td>クレアチニン:10 μg/血漿1 | <tr><th style="width: 200px;">よごれ具合</th><td> ゴミ:5個/部屋1 m <sup>2</sup></td><td>クレアチニン:10 μg/血漿1 mL</td></tr> | ||
<tr><th>(1分間で)よごれ運び出し量</th><td>(ゴミ箱内の)ゴミ:20個</td><td>(尿中の)クレアチニン:1,000 μg </td></tr> | <tr><th>(1分間で)よごれ運び出し量</th><td>(ゴミ箱内の)ゴミ:20個</td><td>(尿中の)クレアチニン:1,000 μg </td></tr> | ||
</table> | </table> | ||
実際のよごれ具合(=血漿のクレアチニン濃度)はクレアチニン10 μg/血漿1 | 実際のよごれ具合(=血漿のクレアチニン濃度)はクレアチニン10 μg/血漿1 mL程度であり、よごれの運び出し量はクレアチニン:1,000 μg程度です。<br> | ||
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[[ファイル:00336.jpg|left|600px]] 9時00分に血漿のよごれ具合がクレアチニン10 μg/血漿1 | [[ファイル:00336.jpg|left|600px]] 9時00分に血漿のよごれ具合がクレアチニン10 μg/血漿1 mLとします。 | ||
(1分間での)1,000 μgのクレアチニンが尿と言うゴミ箱に運び出されました。 | |||
<br style="clear:both;" /> | <br style="clear:both;" /> | ||
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<td>(1分間で)運び出されたゴミが<br>占めていた部屋の広さ</td><td>(1分間で)排泄されたクレアチニンが<br>占めていた血漿の体積</td></tr> | <td>(1分間で)運び出されたゴミが<br>占めていた部屋の広さ</td><td>(1分間で)排泄されたクレアチニンが<br>占めていた血漿の体積</td></tr> | ||
<tr><th> | <tr><th>クリアランスの計算式</th> | ||
<td colspan="2">(1分間で)よごれ運び出し量/よごれ具合</td></tr> | <td colspan="2">(1分間で)よごれ運び出し量/よごれ具合</td></tr> | ||
</table> | </table> | ||
クリアランスの計算式<br> | |||
(1分間で)よごれ運び出し量/よごれ具合にあてはめると、 | (1分間で)よごれ運び出し量/よごれ具合にあてはめると、 | ||
= | =(1分間で)尿に運び出されたクレアチニンの量/血漿のクレアチニン濃度 | ||
=(1分間で)クレアチニン:1,000 μg/(クレアチニン10 μg/血漿1 | =(1分間で)クレアチニン:1,000 μg/(クレアチニン10 μg/血漿1 mL) | ||
=(1分間で)血漿100 | =(1分間で)血漿100 mL | ||
すなわち、9時00分から9時01分の間、血漿100 | すなわち、9時00分から9時01分の間、血漿100 mLからクレアチニンが運び出され、キレイになったことがわかります。 | ||
クリアランスとは「運び出されたゴミが占めていた部屋の広さ」ですので、「クレアチニン・クリアランス」とは、腎臓が運び出(排泄)したクレアチニンは占めていた血漿の体積が100 mLだったのです。 | |||
問題 尿中クレアチニン排泄量:毎分クレアチニン800 μg | 問題 尿中クレアチニン排泄量:毎分クレアチニン800 μg | ||
血漿中のクレアチニン濃度:クレアチニン80 μg/血漿1 | 血漿中のクレアチニン濃度:クレアチニン80 μg/血漿1 mL | ||
このヒトの腎臓の血漿清掃機能は、どの位低下しているでしょうか? | このヒトの腎臓の血漿清掃機能は、どの位低下しているでしょうか? | ||
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(1分間で)キレイになった血漿の体積(クレアチニン・クリアランス) | (1分間で)キレイになった血漿の体積(クレアチニン・クリアランス) | ||
= | =(1分間で)クレアチニン排泄量/血漿のクレアチニン濃度 | ||
=(1分間で)800μ | =(1分間で)800μg/(80μg/血漿1mL) | ||
=(1分間で)血漿10 | =(1分間で)血漿10 mLクレアチニン・クリアランス | ||
=(1分間で)血漿10mLです。 | |||
すなわち、腎機能は正常の 1/10です。透析を検討すべき患者さんと思われます。 | すなわち、腎機能は正常の 1/10です。透析を検討すべき患者さんと思われます。 | ||
100行目: | 100行目: | ||
尿中クレアチニン排泄が多いほど、クレアチニン・クリアランスは {~小さい~=大きい}。 | 尿中クレアチニン排泄が多いほど、クレアチニン・クリアランスは {~小さい~=大きい}。 | ||
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//RAND | //RAND | ||
ある物質の血漿濃度と尿中濃度、ならびに尿量より、クリアランスは求められる。 {=正~誤} | ある物質の血漿濃度と尿中濃度、ならびに尿量より、クリアランスは求められる。 {=正~誤} | ||
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2020年6月1日 (月) 14:17時点における版
では、同じ考え方を腎臓に置き換えてみましょう。
家 | 体 | |
---|---|---|
よごれている所 | 部屋 | 血漿 |
よごしているモノ | ゴミ | クレアチニン |
よごれを運び出す媒体 | ゴミ箱 | 尿 |
と置き換えてみましょう。血漿という体の中のお部屋にクレアチニンというゴミあり、よごれているわけです。よごれはお掃除してキレイにしなければなりません。そのため、尿と言うゴミ箱に入れてよごれを運び出(排泄)しています。
家 | 体 | |
---|---|---|
よごれ具合 | ゴミ:5個/部屋1 m 2 | クレアチニン:10 μg/血漿1 mL |
(1分間で)よごれ運び出し量 | (ゴミ箱内の)ゴミ:20個 | (尿中の)クレアチニン:1,000 μg |
実際のよごれ具合(=血漿のクレアチニン濃度)はクレアチニン10 μg/血漿1 mL程度であり、よごれの運び出し量はクレアチニン:1,000 μg程度です。
9時00分に血漿のよごれ具合がクレアチニン10 μg/血漿1 mLとします。
(1分間での)1,000 μgのクレアチニンが尿と言うゴミ箱に運び出されました。
家 | 体 | |
---|---|---|
何・クリアランス | ゴミ・クリアランス | クレアチニン・クリアランス |
(1分間で)よごれが運び出されて キレイになった所の広さ |
(1分間で)ゴミが運び出されて キレイになった部屋の広さ | (1分間で)クレアチニンが排泄されて キレイになった血漿の体積 |
(1分間で)運び出されたよごれが 占めていた所の広さ |
(1分間で)運び出されたゴミが 占めていた部屋の広さ | (1分間で)排泄されたクレアチニンが 占めていた血漿の体積 |
クリアランスの計算式 | (1分間で)よごれ運び出し量/よごれ具合 |
クリアランスの計算式
(1分間で)よごれ運び出し量/よごれ具合にあてはめると、
=(1分間で)尿に運び出されたクレアチニンの量/血漿のクレアチニン濃度
=(1分間で)クレアチニン:1,000 μg/(クレアチニン10 μg/血漿1 mL)
=(1分間で)血漿100 mL
すなわち、9時00分から9時01分の間、血漿100 mLからクレアチニンが運び出され、キレイになったことがわかります。
クリアランスとは「運び出されたゴミが占めていた部屋の広さ」ですので、「クレアチニン・クリアランス」とは、腎臓が運び出(排泄)したクレアチニンは占めていた血漿の体積が100 mLだったのです。
問題 尿中クレアチニン排泄量:毎分クレアチニン800 μg
血漿中のクレアチニン濃度:クレアチニン80 μg/血漿1 mL
このヒトの腎臓の血漿清掃機能は、どの位低下しているでしょうか?
答え (1分間で)クレアチニン排泄は、正常値(1000μg)よりやや低いだけ(800μg)です。尿毒症の症状は、出ていないと考えるべきでしょうか?血漿中のクレアチニン濃度をみると、正常の8倍ほどあり、高値です。クレアチニン濃度が高いと、同じ排泄速度でも、血漿がキレイになる速度は遅くなるわけですから、クリアランスを計算するしかないわけです。
(1分間で)キレイになった血漿の体積(クレアチニン・クリアランス)
=(1分間で)クレアチニン排泄量/血漿のクレアチニン濃度
=(1分間で)800μg/(80μg/血漿1mL)
=(1分間で)血漿10 mLクレアチニン・クリアランス
=(1分間で)血漿10mLです。
すなわち、腎機能は正常の 1/10です。透析を検討すべき患者さんと思われます。
Challenge Quiz
ある物質のクリアランスとは、その物質が糸球体でろ過される量をあらわす。 正 誤
クレアチニン・クリアランスの正常値は、おおよそ100 ml/分である。単位のmlは 血漿 尿 の体積である。
クレアチニン・クリアランスは、低値であるほど、腎機能は 良い 悪い 。
血漿クレアチニン濃度は、低値であるほど、腎機能は 良い 悪い 。
血漿クレアチニン濃度は、高値であるほど、クレアチニン・クリアランスは 小さい 大きい 。
尿中クレアチニン排泄が多いほど、クレアチニン・クリアランスは 小さい 大きい 。
ある物質の血漿濃度と尿中濃度、ならびに尿量より、クリアランスは求められる。 正 誤