「呼吸/呼吸疾患/肺炎」の版間の差分

提供:一歩一歩
ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
1行目: 1行目:
[[メディア:pneumoniaO2.mp4|動画と音声での説明]]
[[メディア:pneumoniaO2.mp4|動画と音声での説明]]
[[ファイル:PneumoniaO2.jpg|left|400px]]
[[ファイル:PneumoniaO2.jpg|left|400px]]
肺炎などにより、呼吸の酸素濃度上昇への促進作用が下がってしまったとしましょう。これにより、酸素濃度も80mmHgなどに低下してしまいます。「結果」が少ない場合、負のフィードバックでは、結果を促進する原因を多くします。そのため、呼吸が増大します。しかし、肺炎の主病態により酸素濃度上昇への促進作用が下がってしまっているため、呼吸を増大させても、低すぎる酸素濃度は少しは上昇しますが、セットポイントに戻りません。これはうれしくありません。
呼吸筋の収縮・弛緩は換気を促進し、換気はガス交換を促進し、ガス交換は血中O2を上昇させます。最初の変化として肺炎のためにガス交換が低下したとしましょう。これにより、血中O2への上昇作用が弱くなり、血中O2が低下します。この変化は、呼吸筋の収縮・弛緩、換気、ガス交換の作用が不足している状態です。そのため、負のフィードバックは呼吸筋の収縮・弛緩を促進します。呼吸筋の収縮・弛緩の促進は換気をさらに促進します。換気の促進は低下していたガス交換を促進しようとします。しかし、ガス交換の低下が主病態であり、ガス交換の低下も血中O2の低下も残ります。
<br style="clear:both;" />
<br style="clear:both;" />
[[メディア:pneumoniaCO2.mp4|動画と音声での説明]]
[[メディア:pneumoniaCO2.mp4|動画と音声での説明]]
[[ファイル:PneumoniaCO2.jpg|left|400px]]
[[ファイル:PneumoniaCO2.jpg|left|400px]]
肺炎などにより、呼吸の二酸化炭素濃度低下への促進作用が下がってしまったとしましょう。これにより、二酸化炭素濃度も45mmHgなどに上昇してしまいます。「結果」が少ない場合、負のフィードバックでは、結果を促進する原因を多くします。そのため、呼吸が増大します。しかし、肺炎の主病態により二酸化炭素濃度低下への促進作用が下がってしまっているため、呼吸を増大させても、高すぎる二酸化炭素濃度は少しは低下しますが、セットポイントに戻りません。これはうれしくありません。
呼吸筋の収縮・弛緩は換気を促進し、換気はガス交換を促進し、ガス交換は血中CO2を低下させます。最初の変化として肺炎のためにガス交換が低下したとしましょう。これにより、血中CO2への抑制作用が弱くなり、血中CO2が上昇します。この変化は、呼吸筋の収縮・弛緩、換気、ガス交換の作用が不足している状態です。そのため、負のフィードバックは呼吸筋の収縮・弛緩を促進します。呼吸筋の収縮・弛緩の促進は換気をさらに促進します。換気の促進は低下していたガス交換を促進しようとします。しかし、ガス交換の低下が主病態であり、ガス交換の低下も血中CO2の上昇も残ります。
<br style="clear:both;" />
<br style="clear:both;" />
[[メディア:pneumoniapH.mp4|動画と音声での説明]]
[[メディア:pneumoniapH.mp4|動画と音声での説明]]
[[ファイル:PneumoniaPh.jpg|left|400px]]
[[ファイル:PneumoniaPh.jpg|left|400px]]
肺炎などにより、呼吸のpH上昇への促進作用が下がってしまったとしましょう。そのため、pHも7.3などに低下してしまいます。「結果」が少ない場合、負のフィードバックでは、結果を促進する原因を多くします。そのため、呼吸が増大します。しかし、肺炎の主病態によりpH上昇への促進作用が下がってしまっているため、呼吸を増大させても、低すぎるpHは少しは上昇しますが、セットポイントに戻りません。これはうれしくありません。
呼吸筋の収縮・弛緩は換気を促進し、換気はガス交換を促進し、ガス交換は血中pHを上昇させます。最初の変化として肺炎のためにガス交換が低下したとしましょう。これにより、血中pHへの上昇作用が弱くなり、血中pHが低下します。この変化は、呼吸筋の収縮・弛緩、換気、ガス交換の作用が不足している状態です。そのため、負のフィードバックは呼吸筋の収縮・弛緩を促進します。呼吸筋の収縮・弛緩の促進は換気をさらに促進します。換気の促進は低下していたガス交換を促進しようとします。しかし、ガス交換の低下が主病態であり、ガス交換の低下も血中pHの低下も残ります。
<br style="clear:both;" />
<br style="clear:both;" />
[[概論/負のフィードバックによる調節/負のフィードバックの異常/「原因」による促進作用の効率が低下した病態(故障)|パンクなどの故障により、エンジン回転のスピードへの促進作用が下がってしまっている]]のに似ています。  
[[概論/負のフィードバックによる調節/負のフィードバックの異常/「原因」による促進作用の効率が低下した病態(故障)|パンクなどの故障により、エンジン回転のスピードへの促進作用が下がってしまっている]]のに似ています。  

2017年6月5日 (月) 12:11時点における版

動画と音声での説明

PneumoniaO2.jpg

呼吸筋の収縮・弛緩は換気を促進し、換気はガス交換を促進し、ガス交換は血中O2を上昇させます。最初の変化として肺炎のためにガス交換が低下したとしましょう。これにより、血中O2への上昇作用が弱くなり、血中O2が低下します。この変化は、呼吸筋の収縮・弛緩、換気、ガス交換の作用が不足している状態です。そのため、負のフィードバックは呼吸筋の収縮・弛緩を促進します。呼吸筋の収縮・弛緩の促進は換気をさらに促進します。換気の促進は低下していたガス交換を促進しようとします。しかし、ガス交換の低下が主病態であり、ガス交換の低下も血中O2の低下も残ります。
動画と音声での説明

PneumoniaCO2.jpg

呼吸筋の収縮・弛緩は換気を促進し、換気はガス交換を促進し、ガス交換は血中CO2を低下させます。最初の変化として肺炎のためにガス交換が低下したとしましょう。これにより、血中CO2への抑制作用が弱くなり、血中CO2が上昇します。この変化は、呼吸筋の収縮・弛緩、換気、ガス交換の作用が不足している状態です。そのため、負のフィードバックは呼吸筋の収縮・弛緩を促進します。呼吸筋の収縮・弛緩の促進は換気をさらに促進します。換気の促進は低下していたガス交換を促進しようとします。しかし、ガス交換の低下が主病態であり、ガス交換の低下も血中CO2の上昇も残ります。
動画と音声での説明

PneumoniaPh.jpg

呼吸筋の収縮・弛緩は換気を促進し、換気はガス交換を促進し、ガス交換は血中pHを上昇させます。最初の変化として肺炎のためにガス交換が低下したとしましょう。これにより、血中pHへの上昇作用が弱くなり、血中pHが低下します。この変化は、呼吸筋の収縮・弛緩、換気、ガス交換の作用が不足している状態です。そのため、負のフィードバックは呼吸筋の収縮・弛緩を促進します。呼吸筋の収縮・弛緩の促進は換気をさらに促進します。換気の促進は低下していたガス交換を促進しようとします。しかし、ガス交換の低下が主病態であり、ガス交換の低下も血中pHの低下も残ります。
パンクなどの故障により、エンジン回転のスピードへの促進作用が下がってしまっているのに似ています。

Challenge Quiz

1.

肺炎では、呼吸(外呼吸、換気)は 亢進 低下 している。

2.

肺炎では、血液の酸素濃度は 上昇 低下 している。

3.

肺炎では、血液の二酸化炭素濃度は 上昇 低下 している。

4.

肺炎では、血液のpHは 上昇 低下 している。

5.

肺炎の主病態は、 呼吸(外呼吸、換気) 呼吸の血液への(酸素濃度の上昇、二酸化炭素濃度の低下、pHの上昇)作用 の、 亢進 低下 である。