「電解質と体液/病態/代謝性アシドーシスの分類」の版間の差分
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一般的な(糸球体の障害が主病態である)腎不全によるアシドーシスではanion gapは増大 {=する | 一般的な(糸球体の障害が主病態である)腎不全によるアシドーシスではanion gapは増大 {=する~しない} . | ||
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糖尿病によるケトアシドーシスではanion gapは増大 {=する | 糖尿病によるケトアシドーシスではanion gapは増大 {=する~しない} . | ||
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乳酸性アシドーシスではanion gapは増大 {=する | 乳酸性アシドーシスではanion gapは増大 {=する~しない} . | ||
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激しい下痢によるアシドーシスではanion gapは増大 {~する | 激しい下痢によるアシドーシスではanion gapは増大 {~する~=しない} . | ||
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低アルドステロン症によるアシドーシスではanion gapは増大{~する | 低アルドステロン症によるアシドーシスではanion gapは増大{~する~=しない}. | ||
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糸球体の障害(一般的な腎不全)が発生した場合、主として、 {=「糸球体からろ過される不揮発性酸」のろ過 | 糸球体の障害(一般的な腎不全)が発生した場合、主として、 {=「糸球体からろ過される不揮発性酸」のろ過~「尿細管から分泌される不揮発性酸」その1、HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>の再吸収によるH<sup>+</sup>の排出~「尿細管から分泌される不揮発性酸」その2、水素イオンの分泌} が障害される。この場合、 {~呼吸性~=代謝性} {~アルカローシス~=アシドーシス} に陥る。また.anion gapは増大 {=する~しない} 。また、血漿中の重要なアルカリ性物質である重炭酸イオン( HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>)は減少 {=する~しない}。 | ||
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尿細管障害の1型(遠位型)が発生した場合、主として、 {~「糸球体からろ過される不揮発性酸」のろ過 | 尿細管障害の1型(遠位型)が発生した場合、主として、 {~「糸球体からろ過される不揮発性酸」のろ過~「尿細管から分泌される不揮発性酸」その1、HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>の再吸収によるH<sup>+</sup>の排出~=「尿細管から分泌される不揮発性酸」その2、水素イオンの分泌} が障害される。この場合、 {~呼吸性~=代謝性} {~アルカローシス~=アシドーシス} に陥る。また、anion gapは増大 {~する~=しない} 。また、血漿中の重要なアルカリ性物質である重炭酸イオン( HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>)は減少 {=する~しない}。 | ||
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尿細管障害の2型(近位型)が発生した場合、主として、 {~「糸球体からろ過される不揮発性酸」のろ過 | 尿細管障害の2型(近位型)が発生した場合、主として、 {~「糸球体からろ過される不揮発性酸」のろ過~=「尿細管から分泌される不揮発性酸」その1、HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>の再吸収によるH<sup>+</sup>の排出~「尿細管から分泌される不揮発性酸」その2、水素イオンの分泌} が障害される。この場合、 {~呼吸性~=代謝性} {~アルカローシス~=アシドーシス} に陥る。また、anion gapは増大 {~する~=しない} 。また、血漿中の重要なアルカリ性物質である重炭酸イオン( HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>)は減少 {=する~しない} 。 | ||
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2014年11月18日 (火) 21:43時点における版
anion gapが増加するか否かにより,代謝性アシドーシスが2つに分類されます.
血しょう中のanion gapが増加する代謝性アシドーシス
すなわち,「糸球体からろ過される不揮発性酸」が血しょう中に増大する病態です.「糸球体からろ過される不揮発性酸」は水素イオンを解離し,このため,(アルカリ性物質である)HCO3-(重炭酸イオン)が消費されます.また,Cl-が増大しないため,anion gap(Na+ ―Cl- ―HCO3-)が増大するわけです.主なものとしては下記の3つがあります.いずれにおいてもH++HCO3-←→H2CO3←→H2O+CO2の平衡式は右に化学反応が進行(H++HCO3-→H2CO3→H2O+CO2)します.
変化前 | H+ | + | HCO3- | ←→ | H2CO3 | ←→ | H2O | + | CO2 |
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最初に起こる変化 | ↑↑↑ | ||||||||
最初の変化に近い平衡式の作用 | ↓↓ | ↓↓ | → | ↑↑ | |||||
最初の変化から遠い平衡式の作用 | ↓ | → | ↑ | ↑ | |||||
総和 | ↑ | ↓↓ | ←→ | ↑ | ←→ | ↑ | ↑ |
尿毒症(腎不全)
腎不全では,腎小体における糸球体ろ過量が減少し,「糸球体からろ過される不揮発性酸」のろ過量も減少,血しょう中で増大します.赤い四葉のクローバが血しょう中で増大したことに注目.水素イオンが解離し,アシドーシス(による酸血症)がもたらされます.
糖尿病性ケトアシドーシス
脂肪の無気的代謝が亢進してケトン体が増大します.赤い四葉のクローバの一部が血しょう中で増大したことに注目.水素イオンが解離し,アシドーシス(による酸血症)がもたらされます.
乳酸性アシドーシス
糖の無気的代謝が亢進して乳酸が増大します.赤い四葉のクローバの一部が血しょう中で増大したことに注目.水素イオンが解離し,アシドーシス(による酸血症)がもたらされます.
血しょう中のanion gapが増加しない代謝性アシドーシス
anion gapが増加しない,すなわち,「糸球体からろ過される不揮発性酸」が増大しない代謝性アシドーシスであり,ふたつの病態が考えられます.
1.HCO3-(重炭酸イオン)が喪失される病態
このとき,「糸球体からろ過される不揮発性酸」が増大しているわけではないので,HCO3-の喪失分,Cl-が増加します.そのため,anion gapは増加しません.高Cl-性代謝性アシドーシスとよばれることもあります.H++HCO3-←→H2CO3←→H2O+CO2の平衡式は左に移動(H++HCO3-←H2CO3←H2O+CO2)するため,H+が増加し,代謝性アシドーシスになるわけです.
変化前 | H+ | + | HCO3- | ←→ | H2CO3 | ←→ | H2O | + | CO2 |
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最初に起こる変化 | ↓↓↓ | ||||||||
最初の変化に近い平衡式の作用 | ↑↑ | ↑↑ | ← | ↓↓ | |||||
最初の変化から遠い平衡式の作用 | ↑ | ← | ↓ | ↓ | |||||
総和 | ↑↑ | ↓ | ←→ | ↓ | ←→ | ↓ | ↓ |
主なものには下記の2つがあります.
下痢
大量に失われる電解質の中にHCO3-が含まれています.そのために,血しょう中のHCO3-が減少し,重炭酸緩衝系の平衡がH++HCO3-←H2CO3←H2O+CO2の方向に化学反応が進行し,アシドーシス(による酸血症)がもたらされます.増大したH+の一部は「糸球体からろ過される不揮発性酸」に結合し,緩衝されます.ただし,「糸球体からろ過される不揮発性酸」に結合している水素(H)が増大しても「糸球体からろ過される不揮発性酸」(赤い四葉のクローバ)自体が増大するわけではないので,anion gapは増大しません.
尿細管障害によるアシドーシス(renal tubular acidosis, RTA)の2型(近位型)
HCO3-の再吸収が障害されるため,血しょう中のHCO3-が減少し,重炭酸緩衝系の平衡がH++HCO3-←H2CO3←H2O+CO2の方向に化学反応が進行し,アシドーシス(による酸血症)がもたらされます.増大したH+の一部は「糸球体からろ過される不揮発性酸」に結合し,緩衝されます.ただし,「糸球体からろ過される不揮発性酸」に結合している水素(H)が増大しても「糸球体からろ過される不揮発性酸」(赤い四葉のクローバ)自体が増大するわけではないので,anion gapは増大しません.
2.水素イオン自体の排泄障害
尿細管における水素イオンの分泌が障害された場合,当然,代謝性アシドーシスとなります.この際,HCO3-は消費されます.増大したH+の一部は「糸球体からろ過される不揮発性酸」に結合し,緩衝されます.ただし,「糸球体からろ過される不揮発性酸」に結合している水素(H)が増大しても「糸球体からろ過される不揮発性酸」(赤い四葉のクローバ)自体が増大するわけではないので,anion gapは増大しません.
変化前 | H+ | + | HCO3- | ←→ | H2CO3 | ←→ | H2O | + | CO2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最初に起こる変化 | ↑↑↑ | ||||||||
最初の変化に近い平衡式の作用 | ↓↓ | ↓↓ | → | ↑↑ | |||||
最初の変化から遠い平衡式の作用 | ↓ | → | ↑ | ↑ | |||||
総和 | ↑ | ↓↓ | ←→ | ↑ | ←→ | ↑ | ↑ |
主なものには下記の2つがあります.
低アルドステロン症
アルドステロンの不足により,尿細管におけるNa+ポンプが充分に機能せず,交換で排泄されるべき,H+が血しょう中に増大します.
尿細管障害によるアシドーシス(renal tubular acidosis, RTA)の1型(遠位型)
H+の分泌が障害されるためです.
Challenge Quiz
一般的な(糸球体の障害が主病態である)腎不全によるアシドーシスではanion gapは増大 する しない .
糖尿病によるケトアシドーシスではanion gapは増大 する しない .
乳酸性アシドーシスではanion gapは増大 する しない .
激しい下痢によるアシドーシスではanion gapは増大 する しない .
低アルドステロン症によるアシドーシスではanion gapは増大 する しない .
糸球体の障害(一般的な腎不全)が発生した場合、主として、 「糸球体からろ過される不揮発性酸」のろ過 「尿細管から分泌される不揮発性酸」その1、HCO3-の再吸収によるH+の排出 「尿細管から分泌される不揮発性酸」その2、水素イオンの分泌 が障害される。この場合、 呼吸性 代謝性 アルカローシス アシドーシス に陥る。また.anion gapは増大 する しない 。また、血漿中の重要なアルカリ性物質である重炭酸イオン( HCO3-)は減少 する しない 。
尿細管障害の1型(遠位型)が発生した場合、主として、 「糸球体からろ過される不揮発性酸」のろ過 「尿細管から分泌される不揮発性酸」その1、HCO3-の再吸収によるH+の排出 「尿細管から分泌される不揮発性酸」その2、水素イオンの分泌 が障害される。この場合、 呼吸性 代謝性 アルカローシス アシドーシス に陥る。また、anion gapは増大 する しない 。また、血漿中の重要なアルカリ性物質である重炭酸イオン( HCO3-)は減少 する しない 。
尿細管障害の2型(近位型)が発生した場合、主として、 「糸球体からろ過される不揮発性酸」のろ過 「尿細管から分泌される不揮発性酸」その1、HCO3-の再吸収によるH+の排出 「尿細管から分泌される不揮発性酸」その2、水素イオンの分泌 が障害される。この場合、 呼吸性 代謝性 アルカローシス アシドーシス に陥る。また、anion gapは増大 する しない 。また、血漿中の重要なアルカリ性物質である重炭酸イオン( HCO3-)は減少 する しない 。