「電解質と体液/代償作用/くわしい説明/代謝性アシドーシスによる酸血症に対する肺の代償」の版間の差分
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(ページの作成: デンカイシツトタイエキ 第６章では、腎臓の機能低下により酸血症がもたらされ、重炭酸緩衝系がH<sup>+</sup>...) |
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<table border="0"><tr><td style="width: 180px" valign="top">１段目（原疾患により動脈血に最初に起こる変化）、２段目（重炭酸緩衝系の作用）、３段目（ここまでの総和）</td><td valign="top">第６章で説明ずみである。ただし、矢印の数が３倍になっている。これは、単に説明の都合である。この状態で、重炭酸緩衝系は化学的平衡（←→）を保っている。</td></tr><tr><td valign="top">４段目（肺による代償）</td><td valign="top">肺が分担すべき負荷をこなし、肺の機能が代償性に亢進する。理由はCO<sub>2</sub>量の増大だけではなく、代謝性アシドーシス（による酸血症）が直接的に呼吸を促進するのである。両者とも呼吸を刺激するため、CO<sub>2</sub>は大きく減少（↓↓↓↓↓↓）する。 これは重炭酸緩衝系にとっては、新たな変化であり、３段目の平衡を崩す。</td></tr><tr><td valign="top">５段目の上半分</td><td>化学的平衡に外からの攪乱で変化が生じると、「変化を<strong><u>打ち消す</u></strong>方向」に、化学反応が進むため、肺による代償（CO<sub>2</sub>↓↓↓↓↓↓）に近い平衡式（H<sub>2</sub>CO<sub>3</sub> ←→ H<sub>2</sub>O ＋ CO<sub>2</sub>）において、右向きのH<sub>2</sub>CO<sub>3</sub> | <table border="0"><tr><td style="width: 180px" valign="top">１段目（原疾患により動脈血に最初に起こる変化）、２段目（重炭酸緩衝系の作用）、３段目（ここまでの総和）</td><td valign="top">第６章で説明ずみである。ただし、矢印の数が３倍になっている。これは、単に説明の都合である。この状態で、重炭酸緩衝系は化学的平衡（←→）を保っている。</td></tr><tr><td valign="top">４段目（肺による代償）</td><td valign="top">肺が分担すべき負荷をこなし、肺の機能が代償性に亢進する。理由はCO<sub>2</sub>量の増大だけではなく、代謝性アシドーシス（による酸血症）が直接的に呼吸を促進するのである。両者とも呼吸を刺激するため、CO<sub>2</sub>は大きく減少（↓↓↓↓↓↓）する。 これは重炭酸緩衝系にとっては、新たな変化であり、３段目の平衡を崩す。</td></tr><tr><td valign="top">５段目の上半分</td><td>化学的平衡に外からの攪乱で変化が生じると、「変化を<strong><u>打ち消す</u></strong>方向」に、化学反応が進むため、肺による代償（CO<sub>2</sub>↓↓↓↓↓↓）に近い平衡式（H<sub>2</sub>CO<sub>3</sub> ←→ H<sub>2</sub>O ＋ CO<sub>2</sub>）において、右向きのH<sub>2</sub>CO<sub>3</sub>の分解反応 | ||
H<sub>2</sub>CO<sub>3</sub> → H<sub>2</sub>O ＋ CO<sub>2</sub> | |||
が進行する。また、変化量より<strong><u>少ない</u></strong>量」化学反応が進むため、変化量は４段目より少なく、矢印は２本ずつである。</td></tr><tr><td valign="top">５段目の下半分</td><td>肺による代償に近い平衡式の作用による変化（３段目のH<sub>2</sub>CO<sub>3</sub>↓↓）は、肺による代償から遠い平衡式（H<sup>+</sup> ＋ HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> ←→ H<sub>2</sub>CO<sub>3</sub>）のバランスを崩す。「変化を<strong><u>打ち消す</u></strong>方向」に、化学反応が進むため、右向きのH<sub>2</sub>CO<sub>3</sub>の合成反応 | |||
H<sup>+</sup> ＋ HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> → H<sub>2</sub>CO<sub>3</sub> | |||
が進行する。また、変化量より<strong><u>少ない</u></strong>量」化学反応が進むため、変化量は上半分より少なく、矢印は１本ずつである。</td></tr><tr><td valign="top">６段目（すべての総和）</td><td>３段目から５段目までの（すなわち，１，２，４，５段目の）総和である。3段目、すなわち、肺の代償と重炭酸緩衝系の作用が加わる前の状態と比較してみよう。 | |||
＊酸血症（pH低下）は緩衝（H<sup>+</sup>：↑↑↑→↑↑）されている | |||
＊高CO<sub>2</sub>血症は代償（↑↑↑→↓）されている | |||
＊HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>の低下がさらに進行（↓↓↓↓↓↓→↓↓↓↓↓↓↓）している | |||
2013年4月18日 (木) 20:25時点における版
第６章では、腎臓の機能低下により酸血症がもたらされ、重炭酸緩衝系がH+→CO2方向へ変換することで酸血症が緩衝され、高CO2血症がもたらされることを学んだ。また、この際、重炭酸イオン（HCO3-）が減少することを学んだ。ここまでは下図のようにまとめられる。青丸は正常範囲であり、横軸はpH、縦軸はHCO3-濃度である。
重炭酸緩衝系により、酸血症という負荷が肺と腎臓とで分担されたわけである。では、肺が分担すべき負荷をこなした、すなわち、過剰となったCO2の排泄を増大させた場合を検討してみよう。
| 発症前 | H+ | + | HCO3- | ←→ | H2CO3 | ←→ | H2O | + | CO2 | |
| 原疾患（腎臓の機能低下）により動脈血に最初に起こる変化 | ↑↑↑↑↑↑↑↑↑ | |||||||||
| 重炭酸緩衝系の作用 | 最初の変化に近い平衡式 | ↓↓↓↓↓↓ | ↓↓↓↓↓↓ | → | ↑↑↑↑↑↑ | |||||
| 最初の変化から遠い平衡式 | ↓↓↓ | → | ↑↑↑ | ↑↑↑ | ||||||
| ＜＜ここまでの総和＞＞ | ↑↑↑ | ↓↓↓↓↓↓ | ←→ | ↑↑↑ | ←→ | ↑↑↑ | ↑↑↑ | |||
| 肺による代償 | ↓↓↓↓↓↓ | |||||||||
| 重炭酸緩衝系の作用 | 肺による代償に近い平衡式の作用 | ↓↓ | → | ↑↑ | ↑↑ | |||||
| 肺による代償から遠い平衡式の作用 | ↓ | ↓ | → | ↑ | ||||||
| ＜＜すべての総和＞＞ | ↑↑ | ↓↓↓↓↓↓↓ | ←→ | ↑↑ | ←→ | ↑↑↑↑↑ | ↓ | |||
| １段目（原疾患により動脈血に最初に起こる変化）、２段目（重炭酸緩衝系の作用）、３段目（ここまでの総和） | 第６章で説明ずみである。ただし、矢印の数が３倍になっている。これは、単に説明の都合である。この状態で、重炭酸緩衝系は化学的平衡（←→）を保っている。 |
| ４段目（肺による代償） | 肺が分担すべき負荷をこなし、肺の機能が代償性に亢進する。理由はCO2量の増大だけではなく、代謝性アシドーシス（による酸血症）が直接的に呼吸を促進するのである。両者とも呼吸を刺激するため、CO2は大きく減少（↓↓↓↓↓↓）する。 これは重炭酸緩衝系にとっては、新たな変化であり、３段目の平衡を崩す。 |
| ５段目の上半分 | 化学的平衡に外からの攪乱で変化が生じると、「変化を打ち消す方向」に、化学反応が進むため、肺による代償（CO2↓↓↓↓↓↓）に近い平衡式（H2CO3 ←→ H2O ＋ CO2）において、右向きのH2CO3の分解反応
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| ５段目の下半分 | 肺による代償に近い平衡式の作用による変化（３段目のH2CO3↓↓）は、肺による代償から遠い平衡式（H+ ＋ HCO3- ←→ H2CO3）のバランスを崩す。「変化を打ち消す方向」に、化学反応が進むため、右向きのH2CO3の合成反応
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| ６段目（すべての総和） | ３段目から５段目までの（すなわち，１，２，４，５段目の）総和である。3段目、すなわち、肺の代償と重炭酸緩衝系の作用が加わる前の状態と比較してみよう。
＊高CO2血症は代償（↑↑↑→↓）されている ＊HCO3-の低下がさらに進行（↓↓↓↓↓↓→↓↓↓↓↓↓↓）している
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なお、 HCO3-の（正常値＝24mEq/Lからの）減少量×（1〜1.3）＝CO2の（正常値＝40mmHgからの）減少量
と言われている。
肺による代償と重炭酸緩衝系の作用が加わることにより、酸血症（pH低下）が緩衝され、HCO3-の減少がさらに進行した様子を上図に書き加えてみたのが上図である。
Challenge Quiz
1.
代謝性アシドーシス(たとえば.~腎臓の機能低下)に対して.~重炭酸緩衝系が作用すると.~(肺によって代償される前.~)HCO3-は正常値よりも 上昇.低下 する.
代謝性アシドーシス(による酸血症)に対する肺の代償とは.~CO2排泄の 増大. 低下 である.
代謝性アシドーシス(による酸血症)に対して肺が代償したのち.~重炭酸緩衝系は.~ H2O + HCO3- ← H2CO3 ← H2O + CO2.H2O + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2 方向へ作用する.
代謝性アシドーシス(による酸血症)に対する肺の代償作用により.~高CO2血症は さらに進行する.緩衝される .
代謝性アシドーシス(による酸血症)に対する肺の代償作用とは.~ 重炭酸緩衝系がもたらす高CO2血症による呼吸促進.重炭酸緩衝系がもたらす高CO2血症だけではなく、酸血症による呼吸促進 であるため.~ 高.低 CO2血症がもたらされる.
代謝性アシドーシス(による酸血症)に対する肺の代償作用と重炭酸緩衝系の作用により.~HCO3-の低下は さらに進行する. 緩衝される .
代謝性アシドーシス(による酸血症)に対する肺の代償作用と重炭酸緩衝系の作用により.~酸血症(pH低下)は さらに進行する.緩衝される .