「電解質と体液/腎臓と肺、それぞれの機能低下と機能亢進/データの読み方/第2歩/データの読み方/第2歩(中級編)/呼吸性アシドーシス」の版間の差分

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最初の変化と重炭酸緩衝系の作用までをまとめると、このような新たな平衡が成り立ちます。
最初の変化と重炭酸緩衝系の作用までをまとめると、このような新たな平衡が成り立ちます。


[[ファイル:pH-HCO3-resp-acidosis.jpg|left|350px]]pHを横軸、重炭酸イオン(HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>)を縦軸とするグラフにおいて、水素イオン(H<sup>+</sup>)が増大することはpHが低下するので左方移動となります。重炭酸イオン(HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>)が増大することは上方移動となり、この状態はこのようにプロットされます。
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H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> &larr;&rarr; H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub> において、肺炎(肺の機能低下)そのものにより(重炭酸緩衝系の作用なしに)最初に起こる変化は {~呼吸性アシドーシス(による酸血症)~代謝性アシドーシス(による酸血症)~呼吸性アルカローシス(によるアルカリ血症)~代謝性アルカローシス(によるアルカリ血症)~=高CO<sub>2</sub>血症~低CO<sub>2</sub>血症} である。重炭酸緩衝系はこの変化に対して、{=H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> &larr; H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub>~H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> &rarr; H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub>}方向に反応が進行する。これにより、HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>は{=増大~減少}する。  
H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> &larr;&rarr; H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub> において、肺炎(肺の機能低下)そのものにより(重炭酸緩衝系の作用なしに)最初に起こる変化は {~呼吸性アシドーシス(による酸血症)~代謝性アシドーシス(による酸血症)~呼吸性アルカローシス(によるアルカリ血症)~代謝性アルカローシス(によるアルカリ血症)~=高CO<sub>2</sub>血症~低CO<sub>2</sub>血症} である。重炭酸緩衝系はこの変化に対して、{=H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> &larr; H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub>~H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> &rarr; H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub>}方向に反応が進行する。これにより、HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>は{=増大~減少}する。  


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動脈血のpH,7.2;HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>,28 mEq/L;CO<sub>2</sub>,68 mm Hgの血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が {=増大~減少}し、重炭酸イオンは {=増大~減少}している。これは、血漿における重炭酸緩衝系の化学平衡式H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>  &larr;&rarr; H<sub>2</sub>O+CO<sub>2</sub>において、左端にあるH<sup>+</sup>とHCO<sub>3</sub><sup>-</sup>とが {=同じ~異なる}方向に変動しており、血漿に最初に起こった変化はH<sup>+</sup>の変動であると {~思われる~=思われない}。血漿に最初に起こった変化は {~H<sup>+</sup>~=CO<sub>2</sub>}の {=増大~減少}と考えると説明がつく。これは、{=肺~腎臓}の機能 {~亢進~=不全}によってもたらされたと思われる。さらに、重炭酸緩衝系は {=H<sup>+</sup>+ HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>&larr;H<sub>2</sub>O+CO<sub>2</sub>~H<sup>+</sup>+HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>&rarr;H<sub>2</sub>O+CO<sub>2</sub>}の方向に化学変化が生じたと考えられる。pHの変動は {~代謝性~=呼吸性} {=アシドーシス(による酸血症)~アルカローシス(によるアルカリ血症)}とよばれる。  
H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> &larr;&rarr; H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub> において、肺炎(肺の機能低下)そのものにより(重炭酸緩衝系の作用なしに)最初に起こる変化は {~呼吸性アシドーシス(による酸血症)~代謝性アシドーシス(による酸血症)~呼吸性アルカローシス(によるアルカリ血症)~代謝性アルカローシス(によるアルカリ血症)~=高CO<sub>2</sub>血症~低CO<sub>2</sub>血症} である。重炭酸緩衝系はこの変化に対して、{=H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> &larr; H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub>~H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> &rarr; H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub>}方向に反応が進行する。これにより、HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>は{=増大~減少}する。
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動脈血のpH,7.2 (正常値:7.4);HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>,28 (正常値:24) mEq/L;CO<sub>2</sub>,68 (正常値:40) mm Hgの血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が {=増大~減少}し、重炭酸イオンは {=増大~減少}している。これは、血漿における重炭酸緩衝系の化学平衡式H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>  &larr;&rarr; H<sub>2</sub>O+CO<sub>2</sub>において、左端にあるH<sup>+</sup>とHCO<sub>3</sub><sup>-</sup>とが {=同じ~異なる}方向に変動しており、血漿に最初に起こった変化はH<sup>+</sup>の変動であると {~思われる~=思われない}。血漿に最初に起こった変化は {~H<sup>+</sup>~=CO<sub>2</sub>}の {=増大~減少}と考えると説明がつく。
 
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動脈血のpH,7.2 (正常値:7.4);HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>,28 (正常値:24) mEq/L;CO<sub>2</sub>,68 (正常値:40) mm Hgの血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が {=増大~減少}し、重炭酸イオンは {=増大~減少}している。これは、血漿における重炭酸緩衝系の化学平衡式H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>  &larr;&rarr; H<sub>2</sub>O+CO<sub>2</sub>において、左端にあるH<sup>+</sup>とHCO<sub>3</sub><sup>-</sup>とが {=同じ~異なる}方向に変動しており、血漿に最初に起こった変化はH<sup>+</sup>の変動であると {~思われる~=思われない}。血漿に最初に起こった変化は {~H<sup>+</sup>~=CO<sub>2</sub>}の {=増大~減少}と考えると説明がつく。
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動脈血のpH,7.2 (正常値:7.4);HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>,28 (正常値:24) mEq/L;CO<sub>2</sub>,68 (正常値:40) mm Hgの血液検査データでは、{=肺~腎臓}の機能 {~亢進~=不全}によってもたらされたと思われる。さらに、重炭酸緩衝系は {=H<sup>+</sup>+ HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>&larr;H<sub>2</sub>O+CO<sub>2</sub>~H<sup>+</sup>+HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>&rarr;H<sub>2</sub>O+CO<sub>2</sub>}の方向に化学変化が生じたと考えられる。pHの変動は {~代謝性~=呼吸性} {=アシドーシス(による酸血症)~アルカローシス(によるアルカリ血症)}とよばれる。
 
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動脈血のpH,7.2 (正常値:7.4);HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>,28 (正常値:24) mEq/L;CO<sub>2</sub>,68 (正常値:40) mm Hgの血液検査データでは、{=肺~腎臓}の機能 {~亢進~=不全}によってもたらされたと思われる。さらに、重炭酸緩衝系は {=H<sup>+</sup>+ HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>&larr;H<sub>2</sub>O+CO<sub>2</sub>~H<sup>+</sup>+HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>&rarr;H<sub>2</sub>O+CO<sub>2</sub>}の方向に化学変化が生じたと考えられる。pHの変動は {~代謝性~=呼吸性} {=アシドーシス(による酸血症)~アルカローシス(によるアルカリ血症)}とよばれる。
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2024年6月20日 (木) 15:47時点における最新版

POINT!

動画と音声での説明
Respiratory-acidosis-no-compensation.jpg

最初の病態として、肺機能が低下した場合を考えてみましょう。

二酸化炭素の排出が低下して、血中の二酸化炭素(CO2)が増大します。

重炭酸緩衝系のバランスが乱されたので、「最初に起こったことを打ち消す方向」、つまりこの場合は左方向に反応が進みます。これにより二酸化炭素(CO2)が消費されるからです。左向き反応で生成されるため水素イオン (H+)が増大し重炭酸イオン(HCO3-)も増大します。

「最初に起こったことが完全に打ち消されるわけではない」のですから、二酸化炭素(CO2)が4増大すると、重炭酸緩衝系の作用により消費される二酸化炭素(CO2)は、それよりも少ないので、2としましょう。水素イオン (H+)も重炭酸イオン(HCO3-)も2生成され増大します。

最初の変化と重炭酸緩衝系の作用までをまとめると、このような新たな平衡が成り立ちます。

PH-HCO3-resp-acidosis.jpg

pHを横軸、重炭酸イオン(HCO3-)を縦軸とするグラフにおいて、水素イオン(H+)が増大することはpHが低下するので左方移動となります。重炭酸イオン(HCO3-)が増大することは上方移動となり、この状態はこのようにプロットされます。


たとえば、pH, 7.2 ; HCO3-, 28 mEq/L ; CO2, 68 mm Hgの血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が増大し、重炭酸イオンは増大しています。これは、血漿における重炭酸緩衝系の化学平衡式H+ + HCO3-←→ H2O + CO2において、左端にあるH+とHCO3-とが同じ方向に変動しており、血漿に最初に起こった変化はH+やHCO3-の変動であると思われません。血漿に最初に起こった変化はCO2増大と考えると説明がつきます。これは、肺の機能不全によってもたらされたと思われます。さらに、重炭酸緩衝系はH+ + HCO3- ← H2O + CO2の方向に化学変化が生じたと考えられます。pHの変動は呼吸性アシドーシス(による酸血症)とよばれます。


02682.jpg


pHの変動H+の変動HCO3-の変動最初に起った変化重炭酸緩衝系の動き診断される病態
低下増大増大CO2の増大H+ + HCO3- ← H2O + CO2呼吸性アシドーシス

Challenge Quiz

1.

H+ + HCO3- ←→ H2O + CO2 において、肺炎(肺の機能低下)そのものにより(重炭酸緩衝系の作用なしに)最初に起こる変化は  呼吸性アシドーシス(による酸血症) 代謝性アシドーシス(による酸血症) 呼吸性アルカローシス(によるアルカリ血症) 代謝性アルカローシス(によるアルカリ血症) 高CO2血症 低CO2血症 である。重炭酸緩衝系はこの変化に対して、 H+ + HCO3- ← H2O + CO2 H+ + HCO3- → H2O + CO2 方向に反応が進行する。これにより、HCO3-増大 減少 する。

2.

H+ + HCO3- ←→ H2O + CO2 において、肺炎(肺の機能低下)そのものにより(重炭酸緩衝系の作用なしに)最初に起こる変化は  呼吸性アシドーシス(による酸血症) 代謝性アシドーシス(による酸血症) 呼吸性アルカローシス(によるアルカリ血症) 代謝性アルカローシス(によるアルカリ血症) 高CO2血症 低CO2血症 である。重炭酸緩衝系はこの変化に対して、 H+ + HCO3- ← H2O + CO2 H+ + HCO3- → H2O + CO2 方向に反応が進行する。これにより、HCO3-増大 減少 する。

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3.

動脈血のpH,7.2 (正常値:7.4);HCO3-,28 (正常値:24) mEq/L;CO2,68 (正常値:40) mm Hgの血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が  増大 減少 し、重炭酸イオンは  増大 減少 している。これは、血漿における重炭酸緩衝系の化学平衡式H+ + HCO3- ←→ H2O+CO2において、左端にあるH+とHCO3-とが  同じ 異なる 方向に変動しており、血漿に最初に起こった変化はH+の変動であると  思われる 思われない 。血漿に最初に起こった変化は  H+ CO2 の  増大 減少 と考えると説明がつく。

4.

動脈血のpH,7.2 (正常値:7.4);HCO3-,28 (正常値:24) mEq/L;CO2,68 (正常値:40) mm Hgの血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が  増大 減少 し、重炭酸イオンは  増大 減少 している。これは、血漿における重炭酸緩衝系の化学平衡式H+ + HCO3- ←→ H2O+CO2において、左端にあるH+とHCO3-とが  同じ 異なる 方向に変動しており、血漿に最初に起こった変化はH+の変動であると  思われる 思われない 。血漿に最初に起こった変化は  H+ CO2 の  増大 減少 と考えると説明がつく。

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5.

動脈血のpH,7.2 (正常値:7.4);HCO3-,28 (正常値:24) mEq/L;CO2,68 (正常値:40) mm Hgの血液検査データでは、 腎臓 の機能  亢進 不全 によってもたらされたと思われる。さらに、重炭酸緩衝系は  H++ HCO3-←H2O+CO2 H++HCO3-→H2O+CO2 の方向に化学変化が生じたと考えられる。pHの変動は  代謝性 呼吸性   アシドーシス(による酸血症) アルカローシス(によるアルカリ血症) とよばれる。

6.

動脈血のpH,7.2 (正常値:7.4);HCO3-,28 (正常値:24) mEq/L;CO2,68 (正常値:40) mm Hgの血液検査データでは、 腎臓 の機能  亢進 不全 によってもたらされたと思われる。さらに、重炭酸緩衝系は  H++ HCO3-←H2O+CO2 H++HCO3-→H2O+CO2 の方向に化学変化が生じたと考えられる。pHの変動は  代謝性 呼吸性   アシドーシス(による酸血症) アルカローシス(によるアルカリ血症) とよばれる。

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