「消化器系/病態生理学/ダンピング症候群」の版間の差分

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幽門の機能が正常な場合、胃の内容物は、ゆっくりと少しずつ流れていきます。血糖は上昇します。
これは、インスリンの血糖低下作用とは逆の方向です。負のフィードバックがインスリン(の生成、内分泌、血中濃度)を亢進させます。インスリンによる血糖低下作用が増強します。高かった血糖値は、元の血糖まで低下します。正常人では①胃の内容物はゆっくり ②少しずつ流れ ③血糖は上昇します。これにより④インスリンが亢進し ⑤血糖は元の血糖に戻ります。
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ダンピング症候群では主病態として、切除などにより幽門の機能が失われます。そのため、大量の胃の内容物が急速に、小腸に流れてきます。これにより、腸管の外の水分が内容物の浸透圧によって腸管内に移動し、下痢になります。また、血糖は大きく上昇します。これは、インスリンの血糖低下作用とは逆の方向です。負のフィードバックは強くインスリン(の生成、内分泌、血中濃度)を亢進させます。これにより、インスリンによる血糖低下作用が大きく増強し、高かった血糖値は、元の血糖に戻るだけではなく、さらに低くなります。


これがダンピング症候群です。早期ダンピング症候群が下痢であり、後期ダンピング症候群が低血糖です。


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①幽門がないため胃の内容物が ②急速に小腸にながれ、③浸透圧のために下痢となり、④血糖が大きく上昇するのに反応して ⑤負のフィードバックがインスリン(の生成、内分泌、血中濃度)を強く亢進し、⑥反応性に低血糖になってしまう、これがダンピング症候群です。
幽門の機能が正常な場合、 胃の内容物は、ゆっくりと少しずつ流れてきます。
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そのため、血糖はゆっくりと上昇し、130 mg/dlなどになります。


これは、インスリンの作用である血糖低下が少ないのです。「結果」が少ない場合、負のフィードバックは、「結果」を促進する「原因」を多くします。すなわち、インスリンの生成、内分泌が多くなるのです。これにより、インスリンによる血糖低下の促進作用が大きくなり、高かった血糖値は、正常値へ向けて低下します。
{{QuizTitle}}
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1.胃の内容物はゆっくり 2.少しずつ流れ、3.血糖はゆっくりと上昇します。これにより4.インスリンが内分泌され 5.血糖値は正常値に戻ります。
//LEVEL:5
//RAND
ダンピング症候群は、{=胃切除後~胃炎治癒後}の患者にみとめられる。


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//LEVEL:2
//RAND
ダンピング症候群は胃{=幽門~噴門}部の機能喪失による。


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//LEVEL:1
ダンピング症候群では主病態として、切除などにより幽門の機能が失われます。そのため、大量の胃の内容物が急速に小腸に流れてきます。これにより、腸管の外の水分が内容物の浸透圧によって腸管内に移動し、下痢になります。また、血糖は急速に大きく上昇し、180 mg/dlなどになります。これは、インスリンの作用である血糖低下がとても少ないのです。
//RAND
ダンピング症候群は胃{=幽門~噴門}部の機能喪失による。
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「結果」がとても少ないので、負のフィードバックは強く働き、「結果」を促進する「原因」をとても多くします。すなわち、インスリンの生成、内分泌がとても多くなるのです。これにより、インスリンによる血糖低下の促進作用がとても大きくなり、高かった血糖値は正常値に戻るだけではなく、さらに低くなり、60 mg/dlなど低血糖になります。
//LEVEL:2
//RAND
ダンピング症候群では、胃から十二指腸への内容物の移動が{=速く~遅く}なる。


1.幽門がないため胃の内容物が 2.急速に小腸にながれ、3.浸透圧のために下痢となり、4.血糖が大きく上昇するのに反応して 5.インスリンが大量に内分泌され、6.反応性に低血糖になってしまう、これがダンピング症候群です。
//LEVEL:1
//RAND
ダンピング症候群では、胃から十二指腸への内容物の移動が{=速く~遅く}なる。
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//RAND
ダンピング症候群では、反応性{=低血糖~高血糖}がおこる。


//LEVEL:1
//RAND
ダンピング症候群では、反応性{=低血糖~高血糖}がおこる。
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{{QuizTitle}}
//LEVEL:5
<GIFT>
::チャレンジクイズ::
//LEVEL:3
//RAND  
//RAND  
ダンピング症候群は、{=胃切除後.~胃炎治癒後}の患者にみとめられる。
ダンピング症候群では、浸透圧により、小腸の{~管腔から粘膜~=粘膜から管腔}に水分が移動する。
 
//LEVEL:2  
//LEVEL:2  
//RAND  
//RAND  
ダンピング症候群は胃{=幽門.~噴門}部の機能喪失による。
ダンピング症候群では、{=下痢~便秘}が起こることが多い。
//LEVEL:3
 
//LEVEL:1
//RAND  
//RAND  
ダンピング症候群では、胃から十二指腸への内容物の移動が{=速く.~遅く}なる。
ダンピング症候群では、{=下痢~便秘}が起こることが多い。
[[画像:03901.jpg|400px]]
 
//LEVEL:2  
//LEVEL:2  
//RAND  
//RAND  
ダンピング症候群では、反応性{=低血糖.~高血糖}がおこる。
{~反応性低血糖~=浸透圧性下痢}は早期ダンピング症候群の症状である。
 
//LEVEL:1
//RAND
{~反応性低血糖~=浸透圧性下痢}は早期ダンピング症候群の症状である。 
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//LEVEL:2  
//LEVEL:2  
//RAND  
//RAND  
ダンピング症候群では、浸透圧により、小腸の{~管腔から粘膜.=粘膜から管腔}に水分が移動する。
{=反応性低血糖~浸透圧性下痢}は後期ダンピング症候群の症状である。
//LEVEL:3
 
//RAND
//LEVEL:1
ダンピング症候群では、{=下痢.~便秘}が起こることが多い。
//LEVEL:3
//RAND
{~反応性低血糖.=浸透圧性下痢}は早期ダンピング症候群の症状である。
//LEVEL:3
//RAND  
//RAND  
{=反応性低血糖.~浸透圧性下痢}は後期ダンピング症候群の症状である。  
{=反応性低血糖~浸透圧性下痢}は後期ダンピング症候群の症状である。
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</GIFT>
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2024年9月9日 (月) 11:17時点における最新版

動画と音声での説明

03900.jpg

幽門の機能が正常な場合、胃の内容物は、ゆっくりと少しずつ流れていきます。血糖は上昇します。 これは、インスリンの血糖低下作用とは逆の方向です。負のフィードバックがインスリン(の生成、内分泌、血中濃度)を亢進させます。インスリンによる血糖低下作用が増強します。高かった血糖値は、元の血糖まで低下します。正常人では①胃の内容物はゆっくり ②少しずつ流れ ③血糖は上昇します。これにより④インスリンが亢進し ⑤血糖は元の血糖に戻ります。

03901.jpg

ダンピング症候群では主病態として、切除などにより幽門の機能が失われます。そのため、大量の胃の内容物が急速に、小腸に流れてきます。これにより、腸管の外の水分が内容物の浸透圧によって腸管内に移動し、下痢になります。また、血糖は大きく上昇します。これは、インスリンの血糖低下作用とは逆の方向です。負のフィードバックは強くインスリン(の生成、内分泌、血中濃度)を亢進させます。これにより、インスリンによる血糖低下作用が大きく増強し、高かった血糖値は、元の血糖に戻るだけではなく、さらに低くなります。

これがダンピング症候群です。早期ダンピング症候群が下痢であり、後期ダンピング症候群が低血糖です。

①幽門がないため胃の内容物が ②急速に小腸にながれ、③浸透圧のために下痢となり、④血糖が大きく上昇するのに反応して ⑤負のフィードバックがインスリン(の生成、内分泌、血中濃度)を強く亢進し、⑥反応性に低血糖になってしまう、これがダンピング症候群です。


Challenge Quiz

1.

ダンピング症候群は、 胃切除後 胃炎治癒後 の患者にみとめられる。

2.

ダンピング症候群は胃 幽門 噴門 部の機能喪失による。

3.

ダンピング症候群は胃 幽門 噴門 部の機能喪失による。

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4.

ダンピング症候群では、胃から十二指腸への内容物の移動が 速く 遅く なる。

5.

ダンピング症候群では、胃から十二指腸への内容物の移動が 速く 遅く なる。

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6.

ダンピング症候群では、反応性 低血糖 高血糖 がおこる。

7.

ダンピング症候群では、反応性 低血糖 高血糖 がおこる。

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8.

ダンピング症候群では、浸透圧により、小腸の 管腔から粘膜 粘膜から管腔 に水分が移動する。

9.

ダンピング症候群では、 下痢 便秘 が起こることが多い。

10.

ダンピング症候群では、 下痢 便秘 が起こることが多い。

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11.

反応性低血糖 浸透圧性下痢 は早期ダンピング症候群の症状である。

12.

反応性低血糖 浸透圧性下痢 は早期ダンピング症候群の症状である。

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13.

反応性低血糖 浸透圧性下痢 は後期ダンピング症候群の症状である。

14.

反応性低血糖 浸透圧性下痢 は後期ダンピング症候群の症状である。

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