「養護教諭/筋骨格/問診②:痛みの問診(詳細)」の版間の差分
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'''★1成長痛'''<br> | '''★1成長痛'''<br> | ||
成長期に発症する心配のない四肢の深部痛。<br> | 成長期に発症する心配のない四肢の深部痛。<br> | ||
両側性、間歇的な痛みであり、主にふくらはぎ、大腿前面を痛がる。<br> | |||
夜間布団に入ってから痛むことが多い。<br> | 夜間布団に入ってから痛むことが多い。<br> | ||
痛みの持続時間は30分~1時間。<br> | 痛みの持続時間は30分~1時間。<br> | ||
'''★2骨腫瘍'''<br> | '''★2骨腫瘍'''<br> | ||
骨腫瘍は骨に生じた異常な細胞の増殖物のことである。<br> | |||
原発性(最初から骨に生じる場合)、転移性(他の器官(乳房や前立腺など)に生じて骨に転移する場合)がある。<br> | |||
原発性は良性と悪性(がん)、転移性はすべて悪性である。<br> | |||
小児期にみられる骨腫瘍のほとんどは、原発性かつ良性である。<br> | |||
上肢では内軟骨腫(手指骨)や単発性骨嚢腫(上腕骨上端)が10歳以降に多く、良性であり運動痛、圧痛、腫脹が軽度にある。<br> | 上肢では内軟骨腫(手指骨)や単発性骨嚢腫(上腕骨上端)が10歳以降に多く、良性であり運動痛、圧痛、腫脹が軽度にある。<br> | ||
下肢では、良性では骨軟骨腫、悪性では骨肉腫が最も多い。<br> | 下肢では、良性では骨軟骨腫、悪性では骨肉腫が最も多い。<br> | ||
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膝蓋靭帯周囲に炎症を起こし、痛みや圧痛、運動痛が生じる。<br> | 膝蓋靭帯周囲に炎症を起こし、痛みや圧痛、運動痛が生じる。<br> | ||
ジャンプ、長距離ランニングなどを繰り返すと起こしやすい。<br> | ジャンプ、長距離ランニングなどを繰り返すと起こしやすい。<br> | ||
''' | '''★2オスグット・シュラッター病'''<br> | ||
11~15歳の男子に多く、脛骨粗面に障害を起こす疾患である。<br> | 11~15歳の男子に多く、脛骨粗面に障害を起こす疾患である。<br> | ||
脛骨粗面の部分に痛みや圧痛と運動痛がある。痛みは運動時に強い。<br> | 脛骨粗面の部分に痛みや圧痛と運動痛がある。痛みは運動時に強い。<br> |
2020年6月6日 (土) 07:56時点における版
痛みがある場合には、以下の項目を確認しましょう。
①程度・持続時間
★1成長痛
成長期に発症する心配のない四肢の深部痛。
両側性、間歇的な痛みであり、主にふくらはぎ、大腿前面を痛がる。
夜間布団に入ってから痛むことが多い。
痛みの持続時間は30分~1時間。
★2骨腫瘍
骨腫瘍は骨に生じた異常な細胞の増殖物のことである。
原発性(最初から骨に生じる場合)、転移性(他の器官(乳房や前立腺など)に生じて骨に転移する場合)がある。
原発性は良性と悪性(がん)、転移性はすべて悪性である。
小児期にみられる骨腫瘍のほとんどは、原発性かつ良性である。
上肢では内軟骨腫(手指骨)や単発性骨嚢腫(上腕骨上端)が10歳以降に多く、良性であり運動痛、圧痛、腫脹が軽度にある。
下肢では、良性では骨軟骨腫、悪性では骨肉腫が最も多い。
悪性骨腫瘍は痛み、腫脹を伴うことが一般的で、骨肉腫は激痛を訴える。
②誘因(どんな時に痛むか)
★1ジャンパー膝
膝蓋靭帯周囲に炎症を起こし、痛みや圧痛、運動痛が生じる。
ジャンプ、長距離ランニングなどを繰り返すと起こしやすい。
★2オスグット・シュラッター病
11~15歳の男子に多く、脛骨粗面に障害を起こす疾患である。
脛骨粗面の部分に痛みや圧痛と運動痛がある。痛みは運動時に強い。
発育期は、骨が急激に伸び、筋肉や靭帯が追いつかず、常に引っ張られれる状態にあるので、ジャンプ、長距離ランニングなどを繰り返すと起こしやすい。
★3セーバー病
アキレス腱付着部である踵骨結節部に牽引力が加わり、痛みや圧痛、運動痛が生じる。
ジャンプ、長距離ランニングなどを繰り返すと起こしやすい。
★4若年性関節リウマチ
15歳以下に発症した関節リウマチと定義されており、子どもの膠原病として最も多い。
1~9歳をピークにやや女子に多い傾向にある。
症状は6週間以上続く多関節炎(頚椎、顎関節、手関節、股関節など)で固定性であり、成長期であるため成長障害と変形の原因となる。
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