「呼吸/呼吸商」の版間の差分
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2017年3月14日 (火) 13:21時点における版
呼吸商 = 単位時間あたりのCO2排出量/単位時間あたりのO2消費量 |
三大栄養素は、糖、脂質、タンパク質であり、それぞれ、炭素原子(C)、酸素原子(O)、水素原子(H)などの構成割合が異なります。そのため、内呼吸のとき、どの栄養素が分解しているかにより、消費されるO2と排出されるCO2の割合が異なります。それを表現したのが、呼吸商です。
エネルギー代謝とは、炭素に酸素を結合させて二酸化炭素を生成させ、水素に酸素を結合させて水を生成させる過程である、とも言えます。
炭素の数と水素の数とが同じである場合、必要とされる酸素の数も同じになります。
糖質では、栄養素の中の酸素が多く、脂質には栄養素の中の酸素が少ないのです。そのため、糖質では細胞の外から呼吸で供給しなくてはならない酸素が少なく、
脂質では、細胞の外から呼吸で供給しなくてはならない酸素が多いのです。呼吸で供給しなくてはならない酸素、すなわち酸素消費量を分母とし、二酸化炭素の生成、排出量を分子とした分数が呼吸商です。
糖質では、栄養素内の酸素が多く、呼吸で消費される酸素が少ないため、呼吸商は大きいです。
脂質では、栄養素内の酸素が少なく、呼吸で消費される酸素が多いため、呼吸商は小さいです。
糖類: 一般的に、原子の割合はC6H1206です。酸素原子が多く含まれているため、酸素消費量は少なくても分解できます。呼吸商は、1.00と三大栄養素の中では最大です。逆に、酸素の含有が高いので、重量あたりの熱量は、4.1kcal/gと三大栄養素中最小です。
脂質: 脂肪酸の構造を考えてみると、炭素原子(C)の鎖のようなものです。脂肪酸自体の中に酸素原子が少ないため、分解するときは多くの酸素を消費しなければなりません。O2消費量の割には、CO2排出量が少ないため、例えばヘキサン酸の呼吸商は、0.75とブドウ糖よりも少ないです。脂肪は、酸素の含有率が低いので、重量あたりの熱量は、9.3kcal/gと三大栄養素中最大です。エネルギーを保存する場合に適した栄養素であり、過食により皮下に貯蔵されるのも脂質です。
タンパク質: 原子の割合は脂質と糖質の中間であり、呼吸商は、0.85、熱量は、5.3kcal/gです。
Challenge Quiz
生体のCO2排泄量のO2摂取量に対する比を 呼吸商 換気量 という。
呼吸商とは、 O2摂取量のCO2排泄量に対する比 CO2排泄量のO2摂取量に対する比 である。
呼吸商は、その時消費されている栄養素の 種類 量 が示唆される。
糖質と脂質とでは、脂質の方が含有する酸素原子は 少ない 多い 。
ぶどう糖と脂質とでは、脂質の方が呼吸商は 大きい 小さい 。
ブドウ糖の呼吸商は、約 0.7 1.0 である。
脂質の呼吸商は、約 0.7 1.0 である。