「電解質と体液/腎臓と肺、それぞれの機能低下と機能亢進/データの読み方/第2歩/データの読み方/第2歩(中級編)/代謝性アルカローシス」の版間の差分
編集の要約なし |
編集の要約なし |
||
11行目: | 11行目: | ||
<tr align="center"><td>発症前</td><td>H<sup>+</sup></td><td>+</td><td>HCO<sub>3</sub><sup>-</sup></td><td style="width: 30px">←→</td><td>H<sub>2</sub>O</td><td>+</td><td>CO<sub>2</sub></td></tr><tr align="center"> | <tr align="center"><td>発症前</td><td>H<sup>+</sup></td><td>+</td><td>HCO<sub>3</sub><sup>-</sup></td><td style="width: 30px">←→</td><td>H<sub>2</sub>O</td><td>+</td><td>CO<sub>2</sub></td></tr><tr align="center"> | ||
<td align="left">原疾患(腎臓の機能亢進)により最初に起こる変化</td><td>↓↓↓↓</td><td> </td><td> </td><td> </td><td> </td><td> </td><td> </td></tr><tr align="center"> | <td align="left">原疾患(腎臓の機能亢進)により最初に起こる変化</td><td>↓↓↓↓</td><td> </td><td> </td><td> </td><td> </td><td> </td><td> </td></tr><tr align="center"> | ||
<td align="left">重炭酸緩衝系の作用</td><td>↑↑</td><td> </td><td>↑↑</td><td>← </td><td> </td><td> </td><td> | <td align="left">重炭酸緩衝系の作用</td><td>↑↑</td><td> </td><td>↑↑</td><td>← </td><td> </td><td> </td><td>↓↓</td></tr><tr align="center"> | ||
<td align="center"><<ここまでの総和>></td><td>↓↓</td><td> </td><td>↑↑</td><td>←→</td><td> </td><td> </td><td>↓↓</td></tr> | <td align="center"><<ここまでの総和>></td><td>↓↓</td><td> </td><td>↑↑</td><td>←→</td><td> </td><td> </td><td>↓↓</td></tr> | ||
</table> | </table> | ||
33行目: | 33行目: | ||
//LEVEL:3 | //LEVEL:3 | ||
//RAND | //RAND | ||
動脈血のpH,7. | 動脈血のpH, 7.48 ; HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>, 32.3 mEq/L ; CO<sub>2</sub>, 46 mm Hgの血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が {~増大~=減少}し、重炭酸イオンは {=増大~減少}している。これは、血漿における重炭酸緩衝系の化学平衡式H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> ←→ H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub>において、最左端にあるH<sup>+</sup>とHCO<sub>3</sub><sup>-</sup>とが {~同じ~=異なる}方向に変動しており、血漿に最初に起こった変化はH<sup>+</sup>の変動であると {=思われる~思われない}。血漿に最初に起こった変化は {=H<sup>+</sup>~CO<sub>2</sub>}の {~増大~=減少}と考えると説明がつく。これは、{~呼吸(換気)~=腎臓}の機能 {=亢進~不全}によってもたらされたと思われる。さらに、重炭酸緩衝系は {=H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> ← H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub>~H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> → H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub>}の方向に化学変化が生じたと考えられる。pHの変動は {=代謝性~呼吸性} {~アシドーシス(による酸血症)~=アルカローシス(によるアルカリ血症)}とよばれる。 | ||
</GIFT> | </GIFT> |
2016年3月28日 (月) 10:29時点における版
H+の減少とHCO3-の増大とは代謝性アルカローシスを示唆する。 |
腎臓の機能亢進のため、H+が減少し、重炭酸緩衝系は、「変化を打ち消す方向」、すなわち、
H+ + HCO3- ← H2O + CO2
方向に反応が進みます。これにより、H+、HCO3-の両方とも増大します。このような低H+血症が代謝性アルカローシスであり、HCO3-は増大しているのです。
発症前 | H+ | + | HCO3- | ←→ | H2O | + | CO2 |
原疾患(腎臓の機能亢進)により最初に起こる変化 | ↓↓↓↓ | ||||||
重炭酸緩衝系の作用 | ↑↑ | ↑↑ | ← | ↓↓ | |||
<<ここまでの総和>> | ↓↓ | ↑↑ | ←→ | ↓↓ |
たとえば、pH, 7.48 ; HCO3-, 32.3 mEq/L ; CO2, 46 mm Hgの血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が減少し、重炭酸イオンは増大しています。これは、血しょうにおける重炭酸緩衝系の化学平衡式H+ + HCO3-←→ H2O + CO2において、最左端にあるH+とHCO3-とが逆の方向に変動しており、血しょうに最初に起こった変化はH+の減少と考えると説明がつきます。(HCO3-が増大する病態はあまり知られていない)。これは、腎臓機能亢進によってもたらされたと思われます。さらに、重炭酸緩衝系はH+ + HCO3-← H2O + CO2の方向に化学変化が生じたと考えられます。pHの変動は代謝性アルカローシス(によるアルカリ血症)とよばれます。
pHの変動 | H+の変動 | HCO3-の変動 | 最初に起った変化 | 重炭酸緩衝系の動き | 診断される病態 |
---|---|---|---|---|---|
増大 | 減少 | 増大 | H+の減少 | H+ + HCO3-← H2O + CO2 | 代謝性アルカローシス |
Challenge Quiz
H+ + HCO3- ←→ H2O + CO2 において.アルドステロン症(腎臓の機能亢進)そのものにより(重炭酸緩衝系の作用なしに)最初に起こる変化は 呼吸性アシドーシス(による酸血症) 代謝性アシドーシス(による酸血症) 呼吸性アルカローシス(によるアルカリ血症) 代謝性アルカローシス(によるアルカリ血症) 高CO2血症 低CO2血症 である.重炭酸緩衝系はこの変化に対して、 H+ + HCO3- ← H2O + CO2 H+ + HCO3- → H2O + CO2 方向に反応が進行する。これにより.HCO3-は 増大 減少 する.
動脈血のpH, 7.48 ; HCO3-, 32.3 mEq/L ; CO2, 46 mm Hgの血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が 増大 減少 し、重炭酸イオンは 増大 減少 している。これは、血漿における重炭酸緩衝系の化学平衡式H+ + HCO3- ←→ H2O + CO2において、最左端にあるH+とHCO3-とが 同じ 異なる 方向に変動しており、血漿に最初に起こった変化はH+の変動であると 思われる 思われない 。血漿に最初に起こった変化は H+ CO2 の 増大 減少 と考えると説明がつく。これは、 呼吸(換気) 腎臓 の機能 亢進 不全 によってもたらされたと思われる。さらに、重炭酸緩衝系は H+ + HCO3- ← H2O + CO2 H+ + HCO3- → H2O + CO2 の方向に化学変化が生じたと考えられる。pHの変動は 代謝性 呼吸性 アシドーシス(による酸血症) アルカローシス(によるアルカリ血症) とよばれる。