「電解質と体液/pH調節の重要性/アシドーシス(による酸血症)、アルカローシス(によるアルカリ血症)/詳しい定義」の版間の差分

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{{Point|動脈血pHを病的に低下<strong><u>させる</u></strong>病態がアシドーシスである。
{{Point|動脈血pHを病的に低下<strong><u>させる</u></strong>病態がアシドーシスである。


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1.定義上、(緩衝とか代償とかではなく)「病的に」低下するなら、 図 のように、pHが7.6→7.5,7.5→7.4,7.44→7.36,7.4→7.3,7.3→7.2のようにどのような範囲であっても、アシドーシスです。
1.定義上、(緩衝とか代償とかではなく)「病的に」低下するなら、 図 のように、pHが7.6→7.5,7.5→7.4,7.44→7.36,7.4→7.3,7.3→7.2のようにどのような範囲であっても、アシドーシスです。
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3.pHを酸性方向へ低下<span class="line"><strong><u>させる</u></strong>病態</span>をアシドーシスとよびます(上述)。一方、pHが正常範囲(7.35)を超えて低下<span class="line"><strong><u>した</u></strong>病態</span>を 酸血症(acidemia)とよびます。  
3.pHを酸性方向へ低下<span class="line"><strong><u>させる</u></strong>病態</span>をアシドーシスとよびます(上述)。一方、pHが正常範囲(7.35)を超えて低下<span class="line"><strong><u>した</u></strong>病態</span>を 酸血症(acidemia)とよびます。  
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4.pHをアルカリ性方向へ増大<span class="line"><strong><u>させる</u></strong>病態</span>をアルカローシスとよびます(上述)。一方、pHが正常範囲(7.45)を超えてアルカリ性へ増大<span class="line"><strong><u>した</u></strong>病態</span>を アルカリ血症(alkalemia) とよびます。  
4.pHをアルカリ性方向へ増大<span class="line"><strong><u>させる</u></strong>病態</span>をアルカローシスとよびます(上述)。一方、pHが正常範囲(7.45)を超えてアルカリ性へ増大<span class="line"><strong><u>した</u></strong>病態</span>を アルカリ血症(alkalemia) とよびます。  
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これらの用語はしばしば混乱して使われているが、上記の定義が最も適切と思われます。なぜなら病態はしばしば重複するからです。たとえばアルコール摂取により呼吸が抑制され、嘔吐があると、呼吸抑制によりH<sup>+</sup>濃度が増加するアシドーシス(後述)と、胃酸の嘔吐によりH<sup>+</sup>濃度が減少するアルカローシスとが重複します。この際、pHがどうなるかは、ふたつの病態の相対的な強さに依存します。そのため、病態を表現する用語と動脈血のpHを表現する用語は別々に必要です。図のようにまとめられます。   
これらの用語はしばしば混乱して使われているが、上記の定義が最も適切と思われます。なぜなら病態はしばしば重複するからです。たとえばアルコール摂取により呼吸が抑制され、嘔吐があると、呼吸抑制によりH<sup>+</sup>濃度が増加するアシドーシス(後述)と、胃酸の嘔吐によりH<sup>+</sup>濃度が減少するアルカローシスとが重複します。この際、pHがどうなるかは、ふたつの病態の相対的な強さに依存します。そのため、病態を表現する用語と動脈血のpHを表現する用語は別々に必要です。図のようにまとめられます。   
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::チャレンジクイズ::


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2015年7月17日 (金) 14:26時点における版

POINT!


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1.定義上、(緩衝とか代償とかではなく)「病的に」低下するなら、 図 のように、pHが7.6→7.5,7.5→7.4,7.44→7.36,7.4→7.3,7.3→7.2のようにどのような範囲であっても、アシドーシスです。



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2.定義上、(緩衝とか代償とかではなく)「病的に」増大するなら、 図のように、pHが7.6←7.5,7.5←7.4,7.44←7.36,7.4←7.3,7.3←7.2のようにどのような範囲であっても、アルカローシスです。



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3.pHを酸性方向へ低下させる病態をアシドーシスとよびます(上述)。一方、pHが正常範囲(7.35)を超えて低下した病態を 酸血症(acidemia)とよびます。



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4.pHをアルカリ性方向へ増大させる病態をアルカローシスとよびます(上述)。一方、pHが正常範囲(7.45)を超えてアルカリ性へ増大した病態を アルカリ血症(alkalemia) とよびます。




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これらの用語はしばしば混乱して使われているが、上記の定義が最も適切と思われます。なぜなら病態はしばしば重複するからです。たとえばアルコール摂取により呼吸が抑制され、嘔吐があると、呼吸抑制によりH+濃度が増加するアシドーシス(後述)と、胃酸の嘔吐によりH+濃度が減少するアルカローシスとが重複します。この際、pHがどうなるかは、ふたつの病態の相対的な強さに依存します。そのため、病態を表現する用語と動脈血のpHを表現する用語は別々に必要です。図のようにまとめられます。


「pH=7.2はアシドーシスです」との表現は「pH=7.2はアシドーシス(による酸血症)です」を省略したのであり、同様に、「pH=7.5はアルカローシスです」との表現は「pH=7.5はアルカローシス(によるアルカリ血症)です」を省略したのです。



Challenge Quiz

1.

動脈血pHを病的に低下させる病態が アシドーシス アルカローシス 酸血症 アルカリ血症 である。

2.

動脈血pHが正常範囲(7.35)を超えて低下した病態が アシドーシス アルカローシス 酸血症 アルカリ血症 である。

3.

動脈血pHを病的に増大させる病態が アシドーシス アルカローシス 酸血症 アルカリ血症 である。

4.

動脈血pHが正常範囲(7.45)を超えて増大した病態が アシドーシス アルカローシス 酸血症 アルカリ血症 である。