「循環器系/病態生理学/虚血性心疾患/心電図変化/ST部分」の版間の差分
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心室がプラトー相にあると、心電図ではST部分が観察されます。 | 心室がプラトー相にあると、心電図ではST部分が観察されます。 |
2015年7月17日 (金) 11:55時点における版
心室がプラトー相にあると、心電図ではST部分が観察されます。 正常:心室の内側部分も外側部分も、正常なプラトーを同様に形成するため、細胞間の差がなく、電気ベクトルは発生しません。電気ベクトルがないと、心臓ベクトルもなく、ST部分はずれることなく、平坦です。 左心室の側壁の狭心症:内側半分の方が、圧が高く、冠状動脈の枝も細いので、虚血に陥りやすいのです。外側部分は圧も低く、冠状動脈の枝も太いので、虚血に陥りにくいのです。そのため、外側部分はプラトーが正常に形成され、細胞内電位が陽性です。内側部分では、虚血に陥り、プラトーがあまり形成されず、細胞内電位は陰性です。電気ベクトルは細胞内電位の細胞間での差ですので、左心室の側壁が虚血に陥ると、側壁の外側から内側へ、体では、右方向へ電気ベクトルが向くことになります。これが心臓ベクトルとなり、第I誘導では、STが陰性方向へずれ、低下します。 左心室の側壁の心筋梗塞:基本的には、壁の内側から外側まで全壁が細胞死に陥っています。しかし、最内側部分は(動脈血である)心室血に触れており、細胞死に陥らず、正常のプラトーを形成する細胞があります。一方、最内側でない部分(外側)には、細胞死に陥らず、虚血状態であるため、細胞内電位が陰性である細胞があります。電気ベクトルは細胞内電位の細胞間での差ですので、左心室の側壁が心筋梗塞に陥ると、側壁の最内側から外側へ、体では左方向へ電気ベクトルが向くことになります。これが心臓ベクトルとなり、第I誘導では、STが陽性方向へずれ、上昇します。