「電解質と体液/腎臓と肺、それぞれの機能低下と機能亢進/データの読み方/第2歩/データの読み方/第2歩/代謝性アシドーシスの種類」の版間の差分
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2014年11月18日 (火) 21:47時点における最新版
代謝性アシドーシスにはH+の増大とHCO3-の減少とが考えられる。 |
pHの変動 | H+の変動 | HCO3-の変動 | 血しょうに最初に起ったと思われること | アシドーシス,アルカローシスをもたらす重炭酸緩衝系の動き | 診断される病態 |
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低下 | 増大 | 低下 | H+増大 | H+ + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2 | 代謝性アシドーシス |
HCO3-減少 | H+ + HCO3- ← H2CO3 ← H2O + CO2 |
たとえば,pH, 7.24 ; HCO3-, 12 mEq/L の血液検査データでは,正常値よりも水素イオン濃度が増大し,重炭酸イオンは減少しています.これは,血しょうにおける重炭酸緩衝系の化学平衡式H+ + HCO3-←→ H2CO3 ←→ H2O + CO2において,最左端にあるH+とHCO3-とが逆の方向に変動しており,血しょうに最初に起こった変化はH+かHCO3-の変動であると思われます.血しょうに最初に起こった変化はH+の増大,ないしHCO3-の減少と考えると説明がつきます.いずれも腎臓の機能不全(前者は糸球体が破壊される腎不全,後者は近位尿細管が障害される尿細管性アシドーシス)によってもたらされたと思われます.さらに,重炭酸緩衝系は前者の場合、H+ + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2の方向に、後者の場合、H+ + HCO3- ← H2CO3 ← H2O + CO2の方向に化学変化が生じたと考えられます.pHの変動は代謝性アシドーシス(による酸血症)とよばれます.
Challenge Quiz
動脈血のpH.7.24、HCO3-.12 mEq/L.の血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が 増大 減少 し、重炭酸イオンは 増大 減少 している。これは、血漿における重炭酸緩衝系の化学平衡式H+ + HCO3- ←→ H2CO3 ←→ H2O + CO2において、最左端にあるH+とHCO3-とが 同じ 異なる 方向に変動しており、血漿に最初に起こった変化はH+の 増大 減少 、ないしHCO3-の 増大 減少 のいずれかが考えられる。前者の場合、重炭酸緩衝系は H+ + HCO3- ← H2CO3 ← H2O + CO2 H+ + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2 の方向に化学変化が生じたと考えられる。後者の場合、重炭酸緩衝系は H+ + HCO3- ← H2CO3 ← H2O + CO2 H+ + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2 の方向に化学変化が生じたと考えられる。前者のpHの変動は 代謝性 呼吸性 アシドーシス(による酸血症) アルカローシス(によるアルカリ血症) とよばれ、後者のpHの変動は 代謝性 呼吸性 アシドーシス(による酸血症) アルカローシス(によるアルカリ血症) とよばれる。