「循環器系/病態生理学/虚血性心疾患/心電図変化/Q波」の版間の差分

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(ページの作成: ジュンカンキケイ alt=02472.jpg|none|545px 刺激伝導系が心室壁の内側にあるため、心室壁は内側...)
 
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刺激伝導系が心室壁の内側にあるため、心室壁は内側部分から外側部分へ脱分極が広がります。心室が脱分極中、内側部分は脱分極して細胞内電位が陽性で、外側部分は脱分極していなくて細胞内電位が陰性です。細胞内電位の細胞間での電位差が電気ベクトルであるわけですから、電気ベクトルは細胞壁の内側部分から外側部分へ向くことになります。心室が脱分極中の心電図はQRS波です。また、第I誘導は左方向が陽性で右方向が陰性です。
刺激伝導系が心室壁の内側にあるため、心室壁は内側部分から外側部分へ脱分極が広がります。心室が脱分極中、内側部分は脱分極して細胞内電位が陽性で、外側部分は脱分極していなくて細胞内電位が陰性です。細胞内電位の細胞間での電位差が電気ベクトルであるわけですから、電気ベクトルは細胞壁の内側部分から外側部分へ向くことになります。心室が脱分極中の心電図はQRS波です。また、第I誘導は左方向が陽性で右方向が陰性です。


正常:左心室が厚いため、左心室において内側部分から外側部分へ(体では左方向へ)向く電気ベクトルが大きいのです。電気ベクトルの総和である心臓ベクトルは左を向くことになります。これは、第I誘導に投射されると、陽性のR波が観察されます。
正常:左心室が厚いため、左心室において内側部分から外側部分へ(体では左方向へ)向く電気ベクトルが大きいのです。電気ベクトルの総和である心臓ベクトルは左を向くことになります。これは、第I誘導に投射されると、陽性のR波が観察されます。


左心室の側壁の狭心症:心室の脱分極に関して、正常と大きな差はありません。そのため、陽性のR波が観察されます。
左心室の側壁の狭心症:心室の脱分極に関して、正常と大きな差はありません。そのため、陽性のR波が観察されます。


左心室の側壁の心筋梗塞:図の黒い部分が心筋梗塞を起こし、細胞死に至り、電位活動をほとんど発生しなくなった、としましょう。他の部分は細胞死に至っておらず、脱分極し、電気ベクトルが内側部分から外側部分に向きます。総和である心臓ベクトルは右方向へ向くことになります。これは、第I誘導に投射されると、陰性のQ波が観察されます。
左心室の側壁の心筋梗塞:図の黒い部分が心筋梗塞を起こし、細胞死に至り、電位活動をほとんど発生しなくなった、としましょう。他の部分は細胞死に至っておらず、脱分極し、電気ベクトルが内側部分から外側部分に向きます。総和である心臓ベクトルは右方向へ向くことになります。これは、第I誘導に投射されると、陰性のQ波が観察されます。

2013年10月15日 (火) 14:39時点における版


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刺激伝導系が心室壁の内側にあるため、心室壁は内側部分から外側部分へ脱分極が広がります。心室が脱分極中、内側部分は脱分極して細胞内電位が陽性で、外側部分は脱分極していなくて細胞内電位が陰性です。細胞内電位の細胞間での電位差が電気ベクトルであるわけですから、電気ベクトルは細胞壁の内側部分から外側部分へ向くことになります。心室が脱分極中の心電図はQRS波です。また、第I誘導は左方向が陽性で右方向が陰性です。

正常:左心室が厚いため、左心室において内側部分から外側部分へ(体では左方向へ)向く電気ベクトルが大きいのです。電気ベクトルの総和である心臓ベクトルは左を向くことになります。これは、第I誘導に投射されると、陽性のR波が観察されます。

左心室の側壁の狭心症:心室の脱分極に関して、正常と大きな差はありません。そのため、陽性のR波が観察されます。

左心室の側壁の心筋梗塞:図の黒い部分が心筋梗塞を起こし、細胞死に至り、電位活動をほとんど発生しなくなった、としましょう。他の部分は細胞死に至っておらず、脱分極し、電気ベクトルが内側部分から外側部分に向きます。総和である心臓ベクトルは右方向へ向くことになります。これは、第I誘導に投射されると、陰性のQ波が観察されます。