エレベータで荷物を1階から5階にあげると,4つのステージに別れてきます.
心周期における現象と,エレベータでのお仕事は多分に似ています.
(左上)まず1階で荷物が積まれます.当然,1階のエレベータドアは開いており,5階のは閉じています.荷物の流れがあります.
(右上)エレベータが5階へ上昇します.エレベータドアは1階も5階も閉じています.また,荷物の流れはありません.
(左下)5階で荷物を下ろします.5階のエレベータドアは開き,荷物はエレベータから5階のフロアへ流されます.
(右下)エレベータは再び下降してきます.エレベータドアは1階も5階も閉じています.
荷物をドンドン5階へ上げるときはこのプロセスがくり返されるわけです.
下のようにそれぞれを対応させてみてください.
1階 | 心房 |
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エレベーター | 心室 |
5階 | 大動脈 |
1階のドア | 房室弁(僧帽弁) |
5階のドア | 動脈弁(大動脈弁) |
荷物 | 血液 |
このようにエレベータによる荷上げにたとえる限界をご理解下さい.エレベータが上昇する際,荷物も移動しているわけですが,心臓での現象は圧力の上昇であり,血流はありません.血流がある時期は,エレベータへ荷物が積まれる時期と,エレベータから荷物が下ろされる時期です.また,エレベータのドアは(当然ですが)電気的にモータで開閉します.心臓の弁は心室筋の収縮ではなく,圧力の相対的高低で開閉します.エレベータでは,一生懸命働いている人がいますが,心臓の中には血液を動かすお仕事をしている人はいません(念のため!笑!!).