| 浸透とは、半透膜を介して低濃度領域から高濃度領域へ溶媒(水)を受動的に移動させる作用である。浸透は濃度差を小さくする受動的な(ATPを使わない)移動である。 |
<粒子の通れる膜のある拡散前>
![]() 中央の高濃度領域と周辺の低濃度領域との間に膜があります。黄色い溶質(粒子)を通す膜です。 |
<粒子の通れる膜のある拡散後>
![]() そのため、膜がない場合と同様、拡散により、この濃度差を小さくすることができます。
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<半透膜のある浸透前>
![]() 中央の高濃度領域と周辺の低濃度領域との間に半透膜があります。黄色い溶質(粒子)は通さないため、拡散によりこの濃度差を小さくすることはできません。 |
<半透膜のある浸透後>
![]() 一方、半透膜は溶媒(水)を通すことはできるため、逆の方向、すなわち、半透膜を介して、低濃度の領域(周辺)から、高濃度の領域(中央)へ、溶媒(水)が移動します。この移動により、中央の水分量が増大し、濃度が低下します。周辺の水分量は減るので濃度が上昇します。つまり、濃度差を小さくします。(図は、端的に示すため、半透膜が数倍にまで伸ばされ得るとしています。) |

この図の上下の中央にある破線は半透膜です。上半分の領域は、溶質(粒子)があり(多く)高濃度です。下半分の領域は、溶質(粒子)がなく(少なく)低濃度です。この濃度差は(溶質(粒子)が高濃度領域から低濃度領域へ)拡散による移動で小さくすることはできません。そのため、逆に溶質(粒子)が半透膜を介して水を引きます。浸透とは半透膜を介して溶質(粒子)が溶媒(水)を引く移動、とまとめられます。浸透圧とは、その移動を促進する作用、すなわち、半透膜を介して溶質(粒子)が溶媒(水)を引く力とまとめられます。