一歩一歩学ぶ生命科学


では、同じ考え方を腎臓に置き換えてみましょう。

この図では、クレアチニンが運び出された(キレイになった)血漿(中の水分)は他の血漿(中の水分)と混ざらないで1カ所に集まっている、ことが想定されています。当然、循環系としては実際とは異なりますが、腎臓の機能としては正確に端的に示されています。

 
よごれている所部屋血漿(中の水分)
よごしているモノゴミクレアチニン
よごれを運び出す媒体ゴミ箱尿

と置き換えてみましょう。血漿(中の水分)という体の中の部屋にクレアチニンというゴミあり、よごれているわけです。よごれはお掃除してキレイにしなければなりません。そのため、尿と言うゴミ箱に入れてよごれを運び出(排泄)しています。

 
よごれ具合 ゴミ:5個/部屋1 m 2クレアチニン:1 mg/血漿(中の水分)100 mL
(1分間での)よごれ運び出し量(ゴミ箱内の)ゴミ:5個(尿中の)クレアチニン:1 mg

実際の「よごれ具合」、(1分間での)「よごれ運び出し量」はだいたい表の通りです。

 
クリアランスの名称

ゴミ・クリアランス
(1分間で)ゴミが運び出されてキレイになった部屋の広さ
(1分間で)運び出されたゴミが占めていた部屋の広さ

クレアチニン・クリアランス
(1分間で)クレアチニンが排泄されてキレイになった血漿(中の水分)の体積
(1分間で)排泄されたクレアチニンが占めていた血漿(中の水分)の体積

(1分間での)クリアランス 部屋1 m 2血漿(中の水分)100 mL

クリアランスとは「運び出されたよごれが占めていた所の広さ」ですので、「クレアチニン・クリアランス」とは、腎臓が運び出(排泄)したクレアチニンが占めていた血漿(中の水分)の体積であり、これが(1分間で)100 mLだったのです。


Challenge Quiz

1.

クレアチニン・クリアランスの正常値は、おおよそ100 mL/分である。単位のmLは  血漿 尿 (中の水分)の体積である。

2.

クレアチニン・クリアランスの正常値は、おおよそ100 mL/分である。単位のmLは  血漿 尿 (中の水分)の体積である。

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3.

クレアチニン・クリアランスは、低値であるほど、腎機能は  良い 悪い

4.

クレアチニン・クリアランスは、高値であるほど、腎機能は  良い 悪い