| 顔面神経(第Ⅶ脳神経)は、舌前2/3の味覚、唾液腺の分泌、(上眼瞼挙筋以外の)表情筋、涙腺への副交感の神経である。顔面感覚の神経ではない。 |
舌の前方2/3の味覚は第VII脳神経(顔面神経)により、後1/3の味覚は第IX脳神経(舌咽神経)により、咽頭・喉頭の味覚は第IX脳神経(舌咽神経)と第X脳神経(迷走神経)により伝えられます。
顔面神経(第Ⅶ脳神経)は唾液分泌の神経でもあります。
口腔の表在感覚、すなわち、お茶が熱い・冷たいなどの温度覚、怪我などによる痛覚、歯ブラシが触っている触圧覚は、三叉神経(第Ⅴ脳神経)の働きです。
咽頭・喉頭の味覚、表在感覚(触圧覚・痛覚・温度覚)の神経は舌咽神経(第IX脳神経)と迷走神経(第X脳神経)です。
(上眼瞼拳筋以外の)表情筋は顔面神経(第Ⅶ脳神経)の働きですが、顔面の表在感覚(触圧覚・痛覚・温度覚)は三叉神経(第Ⅴ脳神経)です。表情筋により額にしわを寄せたり、口輪筋で口をすぼめたりできます。口角を上げる働きもあります。そのため、顔面神経麻痺では口角が下がり、唾液が流出しやすくなってしまいます。
眼輪筋により目を閉じる神経は顔面神経(第Ⅶ脳神経)ですが、上眼瞼拳筋により目を開けさせる神経は動眼神経(第Ⅲ脳神経)です。涙腺の神経も顔面神経(第Ⅶ脳神経)です。眼球運動させる動眼筋のうち、上斜筋は滑車神経(第Ⅳ脳神経)、外転筋は外転神経(第Ⅵ脳神経)の働きです。他の動眼筋はすべて動眼神経(第Ⅲ脳神経)の働きです。