グルコース(ブドウ糖)→ピルビン酸→アセチル-CoA→クエン酸(クレブス、TCA)回路により、炭素が二酸化炭素(CO2)となり、水素が生成する。その後、酸化的リン酸化反応において、水素と酸素とが消費されて大量のATPが生成する。 |
グルコース(ブドウ糖)→ピルビン酸→アセチル-CoA→クエン酸(クレブス、TCA)回路までの代謝により、いわば、「クリーンエネルギー」となります。すなわち、グルコース(ブドウ糖)に含まれていた炭素は二酸化炭素となり、次に送られる「燃料」としては水素が生成するのです。酸素は使われません。生成するATPは少量です。グルコース(ブドウ糖)からピルビン酸が生成するのが解糖系です。
水素を受け取り、酸素と反応させて大量のATPを生成するのが酸化的リン酸化反応です。これには、電子伝達系とATP合成酵素とがあります。代謝産物は、燃料電池と同様、水だけです。
注意①:「水素の生成」とは、単体のHが出てくるわけではなく、
NAD+ + H2 → NADH2+
FAD + H2 → FADH2
などの反応が進行します。これらは電子伝達系で
NADH2+ → NAD+ + H2
FADH2 → FAD + H2となります。NAD+、FADは基本的に輸送体ですので、図示しないことにします。(以下、同様)
注意②:基本的にブドウ糖は解糖系で2分割されるのです。そのため、1 molのブドウ糖からピルビン酸は2 mol生成します。しかし、このステップから、(1/2) molのブドウ糖より、1 molのピルビン酸が生成するという図にしてあります。今までのステップの図では1 molのブドウ糖から38 molのアデノシン三リン酸(ATP)が生成する図であり、これにくらべると半分の代謝量であり、(1/2) molのブドウ糖から19 molのアデノシン三リン酸(ATP)が生成する図です。