妊娠の初期に著増するホルモンはヒト絨毛ゴナドトロピン human chorionic gonadotropin (hCG)です。別に記述してある通り、月経阻止(無月経)が、言うまでもなく、妊娠継続に最重要な作用です。
妊娠中期(17週)以降、ヒト絨毛ゴナドトロピンは減少し、胎盤からのプロゲステロンとエストロゲンの内分泌が出産直前まで増大します。作用は子宮筋の肥大、子宮におけるオキシトシン受容体の増加、産道軟化、乳房発達、プロラクチンによる乳汁産生促進作用の抑制、排卵阻止などです。
プロラクチンも、同様の作用のあるヒト胎盤性ラクトーゲンhuman placental lactogen (hPL)も妊娠の経過とともに増大します。プロラクチンにもhPLにも乳汁生成促進作用がありますが、妊娠中は大量に分泌されるエストロゲンとプロゲステロンとに乳汁生成促進作用は抑制され、乳汁は分泌されません。