| 末梢細胞で生成したCO2は、赤血球内で①HCO3-を生成する、②カルバミノ化合物を生成する、血漿・赤血球内で③(物理的に)溶解する、の3つの様式で運搬される。 |
<<1.重炭酸イオン>>
*動脈側から、酸素を結合したヘモグロビンを含む赤血球が(筋肉などの)末梢毛細血管に来ると、ヘモグロビンは酸素を放出し、酸素は拡散により細胞に供給され、エネルギー代謝に用いられます。
*エネルギー代謝の結果生成したCO2は、逆に赤血球に拡散し、赤血球内の炭酸脱水酵素 carbonic anhydraseの作用により、H+ + HCO3-← H2CO3 ← H2O + CO2の化学反応が生じ、H+ と HCO3-とが生成します。
*H+は、酸素を放出したヘモグロビン(還元ヘモグロビン)に緩衝され、H・Hbとなります。
*HCO3-は、血漿に放出され、乳酸、リン酸、硫酸、ケトン体などの酸性物質を緩衝します。
<<2.カルバミノ化合物>>
二酸化炭素CO2がヘモグロビンのたんぱく質であるグロビン鎖のアミノ酸に直接、可逆的に結合します。このような物質をカルバミノ化合物といい、ヘモグロビンはカルバミノヘモグロビンになります。
<<3.(物理的)溶解>>
化学的変化なしに血液に溶解しているCO2があります。物理的溶解と表現されることもあります。
<<割合>>
1.重炭酸イオンが約80%
2.カルバミノ化合物が約15%
3.(物理的)溶解が約5%