人の体は、体内の非自己に対して、固有の(相手を特定した)攻撃をする。非自己ごとの固有の防御システムが獲得(適応)免疫、あるいは特異的免疫である。 |
<抗体生成>
箱形細菌表面の抗原により人体はこの細菌を「箱形細菌という非自己」と識別したので、箱型細菌に対する攻撃、すなわち体の防御が始まります。
その一環がリンパ球による抗体の生成です。箱型細菌が侵入した場合は、箱形細菌に対する抗体が生成されます。
*図中の(ピンク色の)Y字形の物質が箱形細菌に対する抗体です。
*抗体生成は教科書にはしばしば抗体「産生」と書いてあります。
<非自己(異物)破壊>
箱形細菌に対する抗体は箱形細菌を破壊します。
*抗体は非自己(異物)に対する攻撃魚雷みたいなものです。箱形細菌は箱形細菌に対する抗体により破壊されます。これによって体が守られるわけです。箱型細菌が90度倒されていることに注目!
<抗体の特定性>
箱形細菌に対する抗体は箱形細菌だけを攻撃できるのです。
箱形細菌に対する抗体はチューブ型細菌にはあまり作用しないのです。
特定の非自己(異物)に対しては特定の抗体が生成(産生)されるのです。
*チューブ型細菌は、箱形細菌に対する抗体が来ても平気にしていることに注目!
*このような特定性、固有性は教科書にはしばしば「特異性」と書いてあります。
*「箱形細菌に対する抗体はチューブ型細菌には作用しない」ということは人体がチューブ型細菌に対して無防備ということではないのです。
人体は、チューブ型細菌の表面にある(箱型細菌の抗原とは別の)抗原を識別して、箱形細菌に対する抗体を生成(産生)するのとは別に、チューブ型細菌に対する抗体を生成(産生)するのです。これはチューブ型細菌を攻撃します。
このように、「はじめに」書いた第3レベル、すなわち、非自己に対して相手により異なった(固有の、特定の、特異的な)攻撃をする防御システムが獲得(適応)免疫、あるいは非特異的免疫です。