<<1>>「一歩一歩学ぶ生命科学/防御システム・白血球」では、人の体の防御システムを3つのレベルに分類します。
第1レベルは、体外の非自己に対する画一的な防御システムです。「画一的」とは、多くのものを同じように扱う、という意味です。たとえば、皮膚は、多くの細菌を同じようにはねかえします。
第2レベルは、体内の非自己に対する画一的な防御システムです。好中球などによる防御システムは、体内の細胞・物質が「自己」か「非自己」かの識別をし、どのような非自己であるかは特定せずに同じように攻撃します。
第3レベルは、体内の非自己に対する固有の防御システムです。「固有」とは、非自己によって対応が異なる、ということです。免疫は非自己ごとに、対応が異なります。
<<2>>異物のことを「非自己」と表現することがあります。
人の体(の防御系)にとって細菌が「異物である」との表現はわかりやすいのですが、「非自己」と表現されることもあります。これは、異物でない、自分自身の細胞を「自己」と表現する対語なのです。
<<3>>「防御」と「攻撃」との、一般的には反対の意味の用語が、同じ現象をさして使われることがあります。
警察が犯罪組織を逮捕する時は、治安と国民とを防御しているのですけれど、逮捕は時に攻撃的です。 同様に、人の体(の防御系)も侵入した細菌を攻撃して体を防御しています。