(たとえば、上腕二頭筋で小さく「前へナラエ」したときなど)筋が軽度に収縮し短縮しただけでは、腱は伸展されず、腱紡錘に活動電位は発生しません(発射しない)。しかし、過度に等尺性に収縮(たとえば、自動車の下に手を入れて、上腕二頭筋を最大に収縮)した状態では、筋(の錘外筋)と腱とは直列に位置しているため、腱とその中の腱紡錘とが伸展され、これが刺激となって腱紡錘に活動電位が発生します(発射する)。腱紡錘からの活動電位は、中枢においてその筋を支配する運動神経を抑制します。これにより、反射的に錘外筋の活動が抑制され、過度な収縮が弱まり筋が保護されます。これは単シナプス反射ではありません。
腱紡錘は「けんぼうすい」と読みます。
神経系/総論/活動電位の移動:伝導と伝達/活動電位の伝導/神経線維の役割分担に記載されているように、腱紡錘からの求心性(感覚)神経線維はIb線維であり、錘外筋への遠心性(運動)神経線維はAα線維です。
神経系/中枢神経系/脊髄/ベル・マジャンディーの法則に記載されているように、腱紡錘からの求心性(感覚)神経線維は後根から脊髄に入り、錘外筋への遠心性(運動)神経線維は前根から脊髄を出ます。
腱紡錘は錐外筋と 並列 直列 に位置している。
腱紡錘は錐外筋(骨格筋)が 伸展された 過度に収縮した ときに伸展され活動電位を発生させる。
腱紡錘からの求心性神経線維は Ia Ib II III 線維であり、 前根 後根 から脊髄に入る。
腱紡錘からの求心性活動は、反射的にその筋活動を 亢進 抑制 する。
腱紡錘からの求心性活動による反射は単シナプスで ある ない 。