一歩一歩学ぶ生命科学

糸球体血管内からボーマン嚢内へ水分がろ過されます。ろ過に作用する要因は以下のようになっています。

糸球体の血管は、入口も出口も細動脈なので血管内の圧(血圧)は高く、これは当然ろ過を促進する方向、糸球体血管内→ボーマン嚢内の方向に作用します。

水分はろ過されますが血漿タンパク質はろ過されず、糸球体血管内に残ります。血管内のタンパク質は、血管外(ボーマン嚢内)の水分を血管内に引き込む力である「膠質浸透圧」を持っています。この強さは25 mm Hg位であり、糸球体血管内←ボーマン嚢内の方向(ろ過を阻止する方向)に作用します。

ボーマン嚢内にも圧があり、尿細管へ水分を流出させる役目がありますが、糸球体血管内←ボーマン嚢内の方向(ろ過を阻止する方向)にも作用します。強さは10 mm Hg位です。

糸球体血管内→ボーマン嚢内の方向を「+」、糸球体血管内←ボーマン嚢内の方向を「-」とすると、正味の圧、「有効ろ過圧」は
(+45 mm Hg)+(-25 mm Hg)+(-10 mm Hg)=+10 mm Hg
となります。合計が+ですので、血圧は膠質浸透圧、ボーマン嚢内圧に逆らって水分をろ過することができています。
FiltrationFactorsTable.jpg

Challenge Quiz

1.

糸球体血管内の血圧は、糸球体血管内からボーマン嚢内の方向に水分を移動させる作用がある。

2.

糸球体血管内の膠質浸透圧は、糸球体血管内からボーマン嚢内の方向に水分を移動させる作用がある。

3.

ボーマン嚢内の圧は、糸球体血管内からボーマン嚢内の方向に水分を移動させる作用がある。

4.

糸球体血管内の血圧は、ボーマン嚢内から糸球体血管内の方向に水分を移動させる作用がある。

5.

糸球体血管内の膠質浸透圧は、ボーマン嚢内から糸球体血管内の方向に水分を移動させる作用がある。

6.

ボーマン嚢内の圧は、ボーマン嚢内から糸球体血管内の方向に水分を移動させる作用がある。

7.

糸球体血管内の血圧は 糸球体血管内からボーマン嚢内 ボーマン嚢内から糸球体血管内 の方向に水分を移動させる作用がある。

8.

糸球体血管内の膠質浸透圧は 糸球体血管内からボーマン嚢内 ボーマン嚢内から糸球体血管内 の方向に水分を移動させる作用がある。

9.

ボーマン嚢内の圧は 糸球体血管内からボーマン嚢内 ボーマン嚢内から糸球体血管内 の方向に水分を移動させる作用がある。

10.

糸球体血管内の血圧 糸球体血管内の膠質浸透圧 ボーマン嚢内の圧 糸球体血管内の血圧 糸球体血管内の膠質浸透圧 ボーマン嚢内の圧 糸球体血管内の血圧 糸球体血管内の膠質浸透圧 ボーマン嚢内の圧 の順に圧が小さくなる。

11.

糸球体血管内の血圧 糸球体血管内の膠質浸透圧 ボーマン嚢内の圧 糸球体血管内の血圧 糸球体血管内の膠質浸透圧 ボーマン嚢内の圧 糸球体血管内の血圧 糸球体血管内の膠質浸透圧 ボーマン嚢内の圧 の順に圧が大きくなる。