<<1>>異物のことを「非自己」と表現することがあります。

人の体(の防御系)にとってバイ菌が「異物である」との表現はわかりやすいのですが、「非自己」と表現されることもあります。これは、異物でない、自分自身の細胞を「自己」と表現する対語なのです。

<<2>>「防御」と「攻撃」との、一般的には反対の意味の用語が、同じ現象をさして使われることがあります。

警察が犯罪組織を逮捕する時は、治安と国民とを防御しているのですけれど、犯人の逮捕は時に攻撃的です。 同様に、人の体(の防御系)も侵入したバイ菌を攻撃して体を防御しています。

<<3>>「一歩一歩学ぶ生命科学/防御システム・白血球」では、人の体の防御システムを3つのレベルに分類します。

00445.jpg

第1レベルは、体外の非自己に対する画一的な防御システムです。「画一的」とは、多くのものを同じように扱う、という意味です。たとえば、皮膚(の角質層)は、多くのバイ菌を同じようにはねかえします。

第2レベルは、体内の非自己に対する画一的な防御システムです。好中球などによる防御システムは、体内の細胞・物質が「自己」か「非自己」かの識別をし、どのような非自己であるかは特定せずに同じように攻撃します。

第3レベルは、体内の非自己に対する固有の防御システムです。「固有」とは、非自己が異なると対応も異なる、ということです。獲得(適応)免疫、特異的免疫は非自己ごとに固有の抗体を生成します。