電解質と体液/腎臓と肺、それぞれの機能低下と機能亢進/データの読み方/第2歩/データの読み方/第2歩(中級編)/代謝性アシドーシス

提供:一歩一歩
2014年11月18日 (火) 22:15時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版
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POINT!


pHの変動H+の変動HCO3-の変動最初に起った変化重炭酸緩衝系の動き診断される病態
低下増大減少H+の増大H+ + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2代謝性アシドーシス


発症前H++HCO3-←→H2CO3←→H2O+CO2
原疾患(腎臓の機能低下)により最初に起こる変化↑↑↑↑        
重炭酸緩衝系の作用↓↓ ↓↓ →   ↑↑ 
<<ここまでの総和>>↑↑ ↓↓←→ ←→  ↑↑


たとえば、pH, 7.08 ; HCO3-, 3 mEq/L ; CO2, 15 mm Hgの血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が増大し、重炭酸イオンは減少しています。これは、血しょうにおける重炭酸緩衝系の化学平衡式H+ + HCO3-←→ H2CO3 ←→ H2O + CO2において、最左端にあるH+とHCO3-とが逆の方向に変動しており、血しょうに最初に起こった変化はH+の増大と考えると説明がつきます。(HCO3-の減少も考えられますが、「上級編」に後述。)腎臓の糸球体が破壊される腎不全によってもたらされます。さらに、重炭酸緩衝系はH+ + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2の方向に化学変化が生じたと考えられます。pHの変動は代謝性アシドーシス(による酸血症)とよばれます。


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Challenge Quiz

1.

動脈血のpH.7.08、HCO3-.3 mEq/L、CO2.15 mm Hgの血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が  増大 減少 し.重炭酸イオンは  増大 減少 している。これは、血漿における重炭酸緩衝系の化学平衡式H++HCO3-←→H2CO3←→H2O+CO2において、最左端にあるH+とHCO3-とが  同じ 異なる 方向に変動しており、血漿に最初に起こった変化はH+の変動であると  思われる 思われない 。血漿に最初に起こった変化は  H+ CO2 の  増大 減少 と考えると説明がつく。これは、 呼吸(換気) 腎臓 の機能  亢進 不全 によってもたらされたと思われる。さらに、重炭酸緩衝系は  H+ + HCO3- ← H2CO3 ← H2O + CO2 H+ + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2 の方向に化学変化が生じたと考えられる。pHの変動は  代謝性 呼吸性   アシドーシス(による酸血症) アルカローシス(によるアルカリ血症) とよばれる。