「電解質と体液/肺、腎による酸性物質の排出と血漿緩衝系のはたらき/重炭酸緩衝系の基本的作用/血中のCO2濃度が上昇」の版間の差分

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{{Point|CO<sub>2</sub>の増大に対して重炭酸緩衝系が作用すると、H<sup>+</sup>が増大し、CO<sub>2</sub>の増大は残る。}}
{{Point|CO<sub>2</sub>の増大に対して重炭酸緩衝系が作用すると、H<sup>+</sup>が増大し、CO<sub>2</sub>の増大は残る。}}


 
[[ファイル:04378.jpg|left|400px]] (肺炎などにより)肺機能が低下すると動脈血中のCO<sub>2</sub>が増大します。これが下表(1行目)の「動脈血に最初に起こる変化」です。
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[[ファイル:BB-hypovent.jpg|left|400px]] この際(表の2行目)、重炭酸緩衝系は、 H<sup>+</sup> &larr; CO<sub>2</sub> ( H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> &larr;  H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub> )の方向に作用します。この化学反応は、CO<sub>2</sub>を減少させるので、「最初の増減を<strong><u>打ち消す</u></strong>方向」です。
(肺炎などにより)肺機能が低下すると動脈血中のCO<sub>2</sub>が増大します。これが下表(1行目)の「動脈血に最初に起こる変化」です。
[[ファイル:04379.jpg|left|400px]] 重炭酸緩衝系の作用によりH<sup>+</sup>は増大します。
 
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<table border="1"> <tr><th>変化の前</th> <th>H<sup>+</sup></th> <th>←→</th> <th>CO<sub>2</sub></th></tr><tr><th>動脈血に最初に起こる変化</th><td> </td> <td> </td><td>↑↑</td></tr> <tr><th>重炭酸緩衝系の作用</th><td>↑ </td> <td>←</td> <td>↓ </td></tr> <tr><th>総和</th><td>↑</td><td>←→</td><td>↑</td></tr></table>
<table border="1"> <tr><th>変化の前</th> <th>H<sup>+</sup></th> <th>←→</th> <th>CO<sub>2</sub></th></tr><tr><th>動脈血に最初に起こる変化</th><td> </td> <td> </td><td>↑↑</td></tr> <tr><th>重炭酸緩衝系の作用</th><td>↑ </td> <td>←</td> <td>↓ </td></tr> <tr><th>総和</th><td>↑</td><td>←→</td><td>↑</td></tr></table>
この際(表の2行目)、重炭酸緩衝系は、 H<sup>+</sup> &larr; CO<sub>2</sub> ( H<sup>+</sup> + HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> &larr;  H<sub>2</sub>O + CO<sub>2</sub> )の方向に作用します。この化学反応は、CO<sub>2</sub>を減少させるので、「最初の増減を<strong><u>打ち消す</u></strong>方向」です。これによりH<sup>+</sup>は増大します。
また、「最初の増減量より<strong><u>少ない</u></strong>量」化学反応が進むため、緩衝系により減少するCO<sub>2</sub>の量(&darr;)は、最初に増大する量(&uarr;&uarr;)より小さくなります。そのため、総和(表の3行目)としては、CO<sub>2</sub>もH<sup>+</sup>も増大します。
[[ファイル:04379.jpg|left|400px]]
<strong>注意!!</strong>この図は重炭酸緩衝系の方向と表の総和とを図示しています。


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2016年6月6日 (月) 22:18時点における版

POINT!
04378.jpg

(肺炎などにより)肺機能が低下すると動脈血中のCO2が増大します。これが下表(1行目)の「動脈血に最初に起こる変化」です。


BB-hypovent.jpg

この際(表の2行目)、重炭酸緩衝系は、 H+ ← CO2 ( H+ + HCO3- ← H2O + CO2 )の方向に作用します。この化学反応は、CO2を減少させるので、「最初の増減を打ち消す方向」です。

04379.jpg

重炭酸緩衝系の作用によりH+は増大します。


変化の前 H+ ←→ CO2
動脈血に最初に起こる変化   ↑↑
重炭酸緩衝系の作用↑  ↓ 
総和←→


Challenge Quiz

1.

CO2の増大に対して重炭酸緩衝系が作用すると、H+増大 減少 する。

2.

肺の機能低下(肺炎)そのものにより(重炭酸緩衝系の作用なしに)、動脈血に最初に起こる変化は、CO2増大、すなわち、 高CO2血症 呼吸性アシドーシス(による酸血症) 呼吸性アルカローシス(によるアルカリ血症) 代謝性アルカローシス(によるアルカリ血症) 低CO2血症 代謝性アシドーシス(による酸血症) である。

3.

図の変化に対し、重炭酸緩衝系は  H+ ← CO2 (正確には、H+ + HCO3- ← H2O + CO2) H+ → CO2 (正確には、H+ + HCO3-  → H2O + CO2) の方向に作用する。

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