「概論/エネルギー代謝/主な病的代謝/乳酸の蓄積」の版間の差分

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{{Point|解糖系が亢進し過ぎると、乳酸が蓄積する}}
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中等度の運動では、このように代謝が亢進します。<br>
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解糖からのATPも、クレブス回路からのATPも、ATP合成酵素からのATPも活発に生成されています。 <br>
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これが安静時の代謝の様子です。
クエン酸(クレブス、TCA)回路も電子伝達系も酵素が弱く、ある一定以上、反応速度を増大させることができません(図の管が細い)。そのため、酸化的リン酸化反応(電子伝達系ならびに共役したATP合成酵素)が短時間に大量のATPを供給することはできません。<br>
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要するに、好気的代謝は「頭打ち」になりやすいのです。中等度の運動(上図)と比べて、激しい運動(下図)でもミトコンドリア内の活動は同程度です。 <br>
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ジョギングなどの中等度の運動では、このように代謝が亢進します。線が太くなって代謝亢進を表しています。<br>
 
解糖系からのATPも、クレブス回路からのATPも、ATP合成酵素からのATPも同様に活発に生成されて、増加を示す上向きの矢印があります。
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さらに激しい運動のために、より多くのATPが必要とされる場合、クレブス回路も、電子伝達系も、あまり増産することはできません。<br>
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しかし、さらに激しい運動のためにより多くのATPが必要とされる場合、クエン酸(クレブス、TCA)回路も、電子伝達系も、あまり増産することはできません。細いチューブで描いてある通り、酵素が弱く「頭打ち」になりやすいのです。<br>
そのため、解糖系だけが亢進します。<br>
そのため、解糖系だけが亢進します。線がさらに太くなって、さらに代謝が亢進します。<br>
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増加したピルビン酸も、水素も、「頭打ち」のクエン酸(クレブス、TCA)回路、電子伝達系によって代謝できません。そのため、両者は結合して乳酸になります。
しかし、増加したピルビン酸も、水素原子も、本来の代謝は「頭打ち」状態です。そのため、両者は結合して乳酸になります。


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::チャレンジクイズ::
//LEVEL:3  
//LEVEL:3  
//RAND  
//RAND  
10 kmをジョギングするとき、安静時と比べて、解糖系は{~=亢進~低下}し、クエン酸(クレブス、TCA)回路、電子伝達系(ならびに共役したATP合成酵素)は{~=亢進~低下}する。  
ジョギングするとき、安静時と比べて、解糖系は{~=亢進~低下}し、クエン酸(クレブス、TCA)回路、電子伝達系(ならびに共役したATP合成酵素)は{~=亢進~低下}する。  
 
 
 
 


//LEVEL:3  
//LEVEL:3  
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ATPが短時間に大量に必要なときに急激に亢進する代謝経路は、主に{~=解糖系~クエン酸(クレブス、TCA)回路~電子伝達系(ならびに共役したATP合成酵素)~&beta;-酸化}である。  
ATPが短時間に大量に必要なときに急激に亢進する代謝経路は、主に{~=解糖系~クエン酸(クレブス、TCA)回路~電子伝達系(ならびに共役したATP合成酵素)~&beta;-酸化}である。  


//LEVEL:2
//RAND
激しい運動をするとき、中等度の運動と比べて、解糖系は{~=著しく亢進し~低下し~あまり変わらず(「頭打ち」となり)}、クエン酸(クレブス、TCA)回路、電子伝達系(ならびに共役したATP合成酵素)は{~著しく亢進する~低下する~=あまり変わらない(「頭打ち」となる)}。


 
//LEVEL:1
 
 
//LEVEL:3
//RAND  
//RAND  
激しい運動をするとき、中等度の運動と比べて、解糖系は{~=著しく亢進し~低下し~あまり変わらず(「頭打ち」となり)}、クエン酸(クレブス、TCA)回路、電子伝達系(ならびに共役したATP合成酵素)は{~著しく亢進する~低下する~=あまり変わらない(「頭打ち」となる)}。  
激しい運動をするとき、中等度の運動と比べて、解糖系は{~=著しく亢進し~低下し~あまり変わらず(「頭打ち」となり)}、クエン酸(クレブス、TCA)回路、電子伝達系(ならびに共役したATP合成酵素)は{~著しく亢進する~低下する~=あまり変わらない(「頭打ち」となる)}。  
 
[[画像:乳酸2.jpg|590px]]
 
 
 


//LEVEL:2  
//LEVEL:2  
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糖の嫌気的代謝が亢進し、好気的代謝があまり変わらない(「頭打ち」)状態では、主に{~CO<sub>2</sub>~ケトン体~ADP~=乳酸~脂肪酸}が細胞内に増加する。  
糖の嫌気的代謝が亢進し、好気的代謝があまり変わらない(「頭打ち」)状態では、主に{~CO<sub>2</sub>~ケトン体~ADP~=乳酸~脂肪酸}が細胞内に増加する。  


//LEVEL:1
//RAND
糖の嫌気的代謝が亢進し、好気的代謝があまり変わらない(「頭打ち」)状態では、主に{~CO<sub>2</sub>~ケトン体~ADP~=乳酸~脂肪酸}が細胞内に増加する。
[[画像:乳酸2.jpg|590px]]
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2024年3月21日 (木) 13:15時点における最新版

POINT!

動画と音声での説明

Anaerobicatrest.jpg


これが安静時の代謝の様子です。

乳酸1.jpg


ジョギングなどの中等度の運動では、このように代謝が亢進します。線が太くなって代謝亢進を表しています。
解糖系からのATPも、クレブス回路からのATPも、ATP合成酵素からのATPも同様に活発に生成されて、増加を示す上向きの矢印があります。

乳酸2.jpg


しかし、さらに激しい運動のためにより多くのATPが必要とされる場合、クエン酸(クレブス、TCA)回路も、電子伝達系も、あまり増産することはできません。細いチューブで描いてある通り、酵素が弱く「頭打ち」になりやすいのです。
そのため、解糖系だけが亢進します。線がさらに太くなって、さらに代謝が亢進します。
増加したピルビン酸も、水素も、「頭打ち」のクエン酸(クレブス、TCA)回路、電子伝達系によって代謝できません。そのため、両者は結合して乳酸になります。

Challenge Quiz

1.

ジョギングするとき、安静時と比べて、解糖系は 亢進 低下 し、クエン酸(クレブス、TCA)回路、電子伝達系(ならびに共役したATP合成酵素)は 亢進 低下 する。

2.

ATPが短時間に大量に必要なときに急激に亢進する代謝経路は、主に 解糖系 クエン酸(クレブス、TCA)回路 電子伝達系(ならびに共役したATP合成酵素) β-酸化 である。

3.

激しい運動をするとき、中等度の運動と比べて、解糖系は 著しく亢進し 低下し あまり変わらず(「頭打ち」となり) 、クエン酸(クレブス、TCA)回路、電子伝達系(ならびに共役したATP合成酵素)は 著しく亢進する 低下する あまり変わらない(「頭打ち」となる)

4.

激しい運動をするとき、中等度の運動と比べて、解糖系は 著しく亢進し 低下し あまり変わらず(「頭打ち」となり) 、クエン酸(クレブス、TCA)回路、電子伝達系(ならびに共役したATP合成酵素)は 著しく亢進する 低下する あまり変わらない(「頭打ち」となる)

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5.

糖の嫌気的代謝が亢進し、好気的代謝があまり変わらない(「頭打ち」)状態では、主に CO2 ケトン体 ADP 乳酸 脂肪酸 が細胞内に増加する。

6.

糖の嫌気的代謝が亢進し、好気的代謝があまり変わらない(「頭打ち」)状態では、主に CO2 ケトン体 ADP 乳酸 脂肪酸 が細胞内に増加する。

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