内分泌系/前葉ホルモン、その2/プロラクチン/分泌調節1

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生産,分泌


下垂体前葉において生産、内分泌されている。


作用


プロラクチンは乳房からの乳汁産生を亢進する。


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手術は妊娠12日目に施行。注射は分娩した日から皮下に行った。新生ラットの体重を乳汁分泌の指標とした。前葉除去後、母親ラットに副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)だけを投与した場合、新生ラットの体重は増大しなかった。乳汁分泌が低下していることが示唆される。しかし、前葉を除去した母親ラットにプロラクチンと副腎皮質刺激ホルモンの両者を投与した場合、新生ラットの体重が増大した。また、プロラクチンの投与を出産10日後に終了すると、13日目まで新生ラットの体重は増大したが、その後は減少に転じ、乳汁分泌の減少が示唆される。以上のことから下垂体前葉から分泌されるプロラクチンが乳汁生産を促進することが示唆される。


男性においても血中濃度は非妊娠女性と同等である。男性における作用はわかっていない。


分泌調節


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プロラクチンの分泌は、成長ホルモンと同様に、下垂体前葉、その2に分類される。すなわち、視床下部から分泌されるプロラクチン放出ホルモン prolactin-releasing hormone (PRH)によって亢進し、プロラクチン抑制ホルモン prolactin-inhibiting hormone (PIH)、別名prolactin-inhibiting factor (PIF)によって低下する。プロラクチンはPRH分泌に負のフィードバックをかけている。


PRH分泌は乳頭刺激、妊娠、運動、睡眠で亢進する。その結果、プロラクチンの分泌も亢進する。また、下垂体前葉からのFSH, LH分泌を抑制することにより排卵を抑制する。出産後、授乳を続けると月経の再開が遅れる(授乳性無月経)のはプロラクチンの分泌が亢進し続けるからである。


PIFは数種類報告されているが、最重要なのはドーパミンと思われる。そのため、ドーパミン阻害薬(major tranquilizerであるハロベリドールなど)の副作用として、高プロラクチン血症(ならびに乳汁分泌)が上げられる。


プロラクチン分泌低下による疾患


♀:乳汁分泌障害


プロラクチン分泌亢進による疾患


♀:無月経・乳汁分泌症侯群 月経異常/性欲↓/性毛正常

amenorrhea-galactorrhea (鑑別診断:Gonadotropin分泌低下では性毛脱落)

♂:性欲↓/陰萎/乳汁分泌


Challenge Quiz

1.

プロラクチンprolactinの主な作用は、 乳房の発達成熟.乳汁産生 である。

プロラクチンは睡眠、乳頭刺激により分泌が 亢進. 低下 する。

プロラクチンは排卵を 抑制. 促進 する。

出産後、授乳をつづけると、月経の再開は 早く.遅く なる。

プロラクチンの分泌亢進の症状には 無月経. 月経過多 がある。

妊娠中プロラクチン分泌は 抑制.促進 されている。

プロラクチンは 視床下部.下垂体前葉. 下垂体後葉 で生産される。

プロラクチンは 視床下部.下垂体前葉. 下垂体後葉 で分泌される。

ドーパミンは prolactin-releasing hormone.prolactin-inhibiting hormone として作用する。

major tranquilizerであるハロベリドールはドーパミンの作用を 増強.阻害 するため、プロラクチンの濃度を 上昇. 低下 させる。