消化器系/病態生理学/ダンピング症候群

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2014年9月16日 (火) 11:06時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版
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幽門の機能が正常な場合、 胃の内容物は、ゆっくりと少しずつ流れてきます。

そのため、血糖はゆっくりと上昇し、130 mg/dlなどになります。

これは、インスリンの作用である血糖低下が少ないのです。「結果」が少ない場合、負のフィードバックは、「結果」を促進する「原因」を多くします。すなわち、インスリンの生成、内分泌が多くなるのです。これにより、インスリンによる血糖低下の促進作用が大きくなり、高かった血糖値は、正常値へ向けて低下します。

1.胃の内容物はゆっくり 2.少しずつ流れ、3.血糖はゆっくりと上昇します。これにより4.インスリンが内分泌され 5.血糖値は正常値に戻ります。


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ダンピング症候群では主病態として、切除などにより幽門の機能が失われます。そのため、大量の胃の内容物が急速に小腸に流れてきます。これにより、腸管の外の水分が内容物の浸透圧によって腸管内に移動し、下痢になります。また、血糖は急速に大きく上昇し、180 mg/dlなどになります。これは、インスリンの作用である血糖低下がとても少ないのです。

「結果」がとても少ないので、負のフィードバックは強く働き、「結果」を促進する「原因」をとても多くします。すなわち、インスリンの生成、内分泌がとても多くなるのです。これにより、インスリンによる血糖低下の促進作用がとても大きくなり、高かった血糖値は正常値に戻るだけではなく、さらに低くなり、60 mg/dlなど低血糖になります。

1.幽門がないため胃の内容物が 2.急速に小腸にながれ、3.浸透圧のために下痢となり、4.血糖が大きく上昇するのに反応して 5.インスリンが大量に内分泌され、6.反応性に低血糖になってしまう、これがダンピング症候群です。



Challenge Quiz

1.

ダンピング症候群は、 胃切除後. 胃炎治癒後 の患者にみとめられる。

ダンピング症候群は胃 幽門. 噴門 部の機能喪失による。

ダンピング症候群では、胃から十二指腸への内容物の移動が 速く. 遅く なる。

ダンピング症候群では、反応性 低血糖. 高血糖 がおこる。

ダンピング症候群では、浸透圧により、小腸の 管腔から粘膜.粘膜から管腔 に水分が移動する。

ダンピング症候群では、 下痢. 便秘 が起こることが多い。

反応性低血糖.浸透圧性下痢 は早期ダンピング症候群の症状である。

反応性低血糖. 浸透圧性下痢 は後期ダンピング症候群の症状である。