「泌尿器系/腎臓/老廃物の排泄/クレアチニン・クリアランスの計算」の版間の差分

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では、同じ考え方を腎臓に置き換えてみましょう。
クレアチニン・クリアランスの計算方法を確認しておきます。


<table border="1" cellpadding="2" cellspacing="0" summary="腎臓への置き換え">
<br>
<tr><td style="width: 344px;">　</td><th style="width: 123px;">家</th><th style="width: 189px;">体</th></tr>
クリアランスの計算式<br>
<tr><th>よごれている場所</th><td>部屋</td><td>血しょう</td></tr>
（１分間で）よごれ運び出し量／よごれ具合にあてはめると、
<tr><th>よごしているモノ</th><td>ゴミ</td><td>クレアチニン</td></tr>
<tr><th>よごれ具合</th><td> ゴミ：5杯/部屋1m <sup>2</sup></td><td>クレアチニン10&mu;g/血しょう1ml</td></tr>
<tr><th>よごれを運び出す媒体</th><td>ゴミ袋</td><td>尿</td></tr>
<tr><th>1分間のゴミ運び出し量</th><td>ゴミ：20杯</td><td>クレアチニン：1000&mu;g </td></tr>
<tr><th>どの位の大きさのよごれていた場所がキレイになったか？</th><td colspan="2">ゴミ運び出し量/よごれ具合</td></tr>
<tr><th>上記の式で求まるモノ</th><td>ゴミ・クリアランス</td><td>クレアチニン・クリアランス</td></tr>
</table>


（１分間で）尿に運び出されたクレアチニンの量／血漿のクレアチニン濃度


．．．と、置き換えてみましょう。すなわち、 クレアチニン・クリアランスとは．．． 血しょうがクレアチニンでよごれています。腎臓が、１分間掃除をして、クレアチニンを尿に運び出しました。もともとよごれていた血しょうのどの位の体積が、クレアチニンがなくなりキレイになったのでしょうか？ に対する答えです。
=（１分間で）クレアチニン：1 mg ／ （クレアチニン：1 mg ／ 血漿：100 mL）


=（１分間で）血漿：100 mL


すなわち、9時00分から9時01分の間、血漿100 mLからクレアチニンが運び出され、キレイになったことがわかります。


(左図)9時00分に血しょうがクレアチニンでよごれている、とします。よごれ具合は、クレアチニン10　&mu;g/血しょう1　mlです。これは、正常範囲内の値です。
クリアランスとは「運び出されたよごれが占めていた所の広さ」ですので、「クレアチニン・クリアランス」とは、腎臓が運び出（排泄）したクレアチニンが占めていた血漿（中の水分）の体積であり、これが（１分間で）100 mLだったのです。
 
(右図)1分後のことを考えてみましょう。1000　&mu;gのクレアチニンが運び出されます。
 
 
 
[[ファイル:00336.jpg|alt=00336.jpg|none|500px]]
 
問題 　1分間で、「血しょうのどの位の体積から、クレアチニンがなくなり、キレイになったの？」
 
 
答え 　クリアランスの公式(1分間のゴミ運び出し量/よごれ具合)にあてはめると、
 
1分間で掃除された血しょうの体積
 
=1分間で排泄されたクレアチニンの量/血しょうのクレアチニン濃度
 
=(毎分クレアチニン1000&mu;g/(クレアチニン10&mu;g/血しょう1ml))
 
=毎分血しょう100 ml
 
 
すなわち、9時00分から9時01分の間、血しょう100mlからクレアチニンが運び出され、キレイになったことがわかります。上記の式こそが、血しょうの「クレアチニン・クリアランス」の計算式であります。
 
別の言い方をするなら、「クレアチニン・クリアランス」とは、1分間に腎臓から排泄される、クレアチニンを含む血しょうの体積です。
 
 
問題 　尿中クレアチニン排泄量：毎分クレアチニン800&mu;g
 
　　　　血しょう中のクレアチニン濃度：クレアチニン80&mu;g/血しょう1ml
 
　　　　このヒトの腎臓の血しょう清掃機能は、どの位低下しているでしょうか？
 
 
 
答え 　毎分のクレアチニン排泄速度は、正常値(1000&mu;g)よりやや低いだけ(800&mu;g)です。尿毒症の症状は、出ていないと考えるべきでしょうか？血しょう中のクレアチニン濃度をみると、正常の8倍ほどあり、高値です。クレアチニン濃度が高いと、同じ排泄速度でも、血しょうがキレイになる速度は遅くなるわけですから、クリアランスを計算するしかないわけです。
 
1分間でキレイになった血しょうの体積(クレアチニン・クリアランス)
 
=1分間のクレアチニン排泄量/血しょうのクレアチニン濃度
 
=(毎分、800&mu;g/(80&mu;g/血しょう1ml))
 
=毎分、血しょう10 mlクレアチニン・クリアランス
 
＝毎分、血しょう10mlです。
 
すなわち、腎機能は正常の1/10です。透析を検討すべき患者さんと思われます。
 




{{QuizTitle}}
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<GIFT>
<GIFT>
::チャレンジクイズ::
//LEVEL:3
//RAND
血漿クレアチニン濃度は、低値であるほど、クレアチニン・クリアランスは　{小さい~=大きい}。


//LEVEL:3  
//LEVEL:3  
//RAND  
//RAND  
ある物質のクリアランスとは、その物質が糸球体でろ過される量をあらわす。　{~正~=誤}  
血漿クレアチニン濃度は、高値であるほど、クレアチニン・クリアランスは　{=小さい~大きい}。


//LEVEL:2
//LEVEL:3
//RAND  
//RAND  
クレアチニン・クリアランスの正常値は、おおよそ100 ml/分である。単位のmlは　{=血漿~尿} の体積である。
尿中クレアチニン排泄が多いほど、クレアチニン・クリアランスは　{~小さい~=大きい}。


//LEVEL:3  
//LEVEL:3  
//RAND  
//RAND  
クレアチニン・クリアランスは、低値であるほど、腎機能は　{~良い~= 悪い}。
尿中クレアチニン排泄が少ないほど、クレアチニン・クリアランスは　{~=小さい~大きい}。
 
//LEVEL:4
//RAND
ある物質の血漿濃度と尿中濃度、ならびに尿量より、クリアランスは求められる。　{=正~誤}  


//LEVEL:3  
//LEVEL:3  
//RAND  
//RAND  
血漿クレアチニン濃度は、低値であるほど、腎機能は　{=良い~悪い}。
血漿の濃度　クレアチニン：1 mg／血漿：100 mL、1分間の尿中排泄量　クレアチニン：1 mg/分 のときのクレアチニン・クリアランスは? {~10 mL/分~=100 mL/分~1,000 mL/分}  


//LEVEL:3  
//LEVEL:3  
//RAND  
//RAND  
血漿クレアチニン濃度は、高値であるほど、クレアチニン・クリアランスは　{=小さい~大きい}。
血漿の濃度　クレアチニン：1 mg／血漿：100 mL、1分間の尿中排泄量　クレアチニン：1 mg/分 のときのクレアチニン・クリアランスは、100{~mL~=mL/分~mg~mg/分}である。


//LEVEL:3
//LEVEL:4
//RAND  
//RAND  
尿中クレアチニン排泄が多いほど、クレアチニン・クリアランスは　{~小さい~=大きい}。
血漿の濃度　クレアチニン：2 mg／血漿：100 mL、1分間の尿中排泄量　クレアチニン：1 mg/分 のときのクレアチニン・クリアランスは? {~10~=50~100~500~1,000} 　{~mL~=mL/分~mg~mg/分}


//LEVEL:3
//LEVEL:4
//RAND  
//RAND  
ある物質の血漿濃度と尿中濃度、ならびに尿量より、クリアランスは求められる。　{=正~誤}  
血漿の濃度　クレアチニン：8 mg／血漿：100 mL、1分間の尿中排泄量　クレアチニン：0.8 mg/分 のときのクレアチニン・クリアランスは? {~=10~50~100~500~1,000} 　{~mL~=mL/分~mg~mg/分}
 
</GIFT>
</GIFT>

2024年3月21日 (木) 15:59時点における最新版

クレアチニン・クリアランスの計算方法を確認しておきます。


クリアランスの計算式
（１分間で）よごれ運び出し量／よごれ具合にあてはめると、

（１分間で）尿に運び出されたクレアチニンの量／血漿のクレアチニン濃度

=（１分間で）クレアチニン：1 mg ／ （クレアチニン：1 mg ／ 血漿：100 mL）

=（１分間で）血漿：100 mL

すなわち、9時00分から9時01分の間、血漿100 mLからクレアチニンが運び出され、キレイになったことがわかります。

クリアランスとは「運び出されたよごれが占めていた所の広さ」ですので、「クレアチニン・クリアランス」とは、腎臓が運び出（排泄）したクレアチニンが占めていた血漿（中の水分）の体積であり、これが（１分間で）100 mLだったのです。


Challenge Quiz

1.

血漿クレアチニン濃度は、低値であるほど、クレアチニン・クリアランスは　 小さい 大きい 。

2.

血漿クレアチニン濃度は、高値であるほど、クレアチニン・クリアランスは　 小さい 大きい 。

3.

尿中クレアチニン排泄が多いほど、クレアチニン・クリアランスは　 小さい 大きい 。

4.

尿中クレアチニン排泄が少ないほど、クレアチニン・クリアランスは　 小さい 大きい 。

5.

ある物質の血漿濃度と尿中濃度、ならびに尿量より、クリアランスは求められる。　 正 誤

6.

血漿の濃度　クレアチニン：1 mg／血漿：100 mL、1分間の尿中排泄量　クレアチニン：1 mg/分 のときのクレアチニン・クリアランスは? 10 mL/分 100 mL/分 1,000 mL/分

7.

血漿の濃度　クレアチニン：1 mg／血漿：100 mL、1分間の尿中排泄量　クレアチニン：1 mg/分 のときのクレアチニン・クリアランスは、100 mL mL/分 mg mg/分 である。

8.

血漿の濃度　クレアチニン：2 mg／血漿：100 mL、1分間の尿中排泄量　クレアチニン：1 mg/分 のときのクレアチニン・クリアランスは? 10 50 100 500 1,000 　 mL mL/分 mg mg/分

9.

血漿の濃度　クレアチニン：8 mg／血漿：100 mL、1分間の尿中排泄量　クレアチニン：0.8 mg/分 のときのクレアチニン・クリアランスは? 10 50 100 500 1,000 　 mL mL/分 mg mg/分

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