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{{Point|anion gapの定義は血漿における(Na<sup>+</sup> ― Cl<sup>-</sup> HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>)である}}
{{Point|anion gapの定義は血しょうにおける(Na+ ― Cl- ― HCO3-)である}}




すなわち,細胞外液である血しょうにおいて主な陽イオン(Na<sup>+</sup>)とくらべて,主な陰イオン(Cl<sup>-</sup> と HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>)がどの位少ないか?主な陰イオン(anion)は主な陽イオンと比べてとの位ギャップがあるか?の定量であります
すなわち、細胞外液である血漿において主な陽イオン(Na<sup>+</sup>)とくらべて、主な陰イオン(Cl<sup>-</sup> と HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>)がどの位少ないか?主な陰イオン(anion)は主な陽イオンと比べてとの位ギャップがあるか?の定量であります。




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{{Point|anion gapの実体は血中のAlbumin,ならびに乳酸,ケトン体,リン酸,硫酸などである.}}
{{Point|anion gapの実体は血中のAlbumin、ならびに乳酸、ケトン体、リン酸、硫酸などである。}}




このうち,最多はAlbuminです.Albuminは負に帯電しているのです.この部分だけ,量の方向が90度回転しています.anion gapの絶対値は破線の間であり,このデータですと,152-113-27=12mEq/LH2Oです.anion gapを構成する全物質の合計量は16+6+1+2=25mEq/LH2Oであり,各物質のanion gapに対する寄与率は各物質の横幅に比例します.
このうち、最多はAlbuminです。Albuminは負に帯電しているのです。この部分だけ、量の方向が90度回転しています。anion gapの絶対値は破線の間であり、このデータですと、152-113-27=12mEq/LH<sub>2</sub>Oです。anion gapを構成する全物質の合計量は16+6+1+2=25mEq/LH<sub>2</sub>Oであり、各物質のanion gapに対する寄与率は各物質の横幅に比例します。


(有機酸とは炭素Cを含む酸,すなわち,乳酸とケトン体です.)
(有機酸とは炭素Cを含む酸、すなわち、乳酸とケトン体です。)




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{{Point|anion gapの正常値は12 +/- 2 mEq/Lである.}}
{{Point|anion gapの正常値は12 +/- 2 mEq/Lである。}}




上記のデータは正常範囲内です.
上記のデータは正常範囲内です。






{{Point|anion gapは,「糸球体からろ過される不揮発性酸」の間接的指標である.}}
{{Point|anion gapは、「糸球体からろ過される不揮発性酸」の間接的指標である。}}




「糸球体からろ過される不揮発性酸」が増加すると,anion gapも増加します.「糸球体からろ過される不揮発性酸」が増大するアシドーシスの場合:たとえば,腎不全によって「糸球体からろ過される不揮発性酸」が排泄できない場合,anion gapは増大します.「糸球体からろ過される不揮発性酸」が増大しないアシドーシスの場合,たとえば,下痢によるHCO<sub>3</sub><sup>-</sup>減少の時,anion gapは増大しません.
「糸球体からろ過される不揮発性酸」が増加すると、anion gapも増加します。「糸球体からろ過される不揮発性酸」が増大するアシドーシスの場合:たとえば、腎不全によって「糸球体からろ過される不揮発性酸」が排泄できない場合、anion gapは増大します。「糸球体からろ過される不揮発性酸」が増大しないアシドーシスの場合、たとえば、下痢によるHCO<sub>3</sub><sup>-</sup>減少の時、anion gapは増大しません。




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{{QuizTitle}}
{{QuizTitle}}
<GIFT>
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::チャレンジクイズ::


//LEVEL:3  
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anionとは {~陽イオン~=陰イオン} である.
anionとは、{~陽イオン~=陰イオン} である。
 


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anion gapとは血漿において {~主な陰イオンが主な陽イオンよりどれだけ多いか~=主な陽イオンが主な陰イオンよりどれだけ多いか} の定量である。  
anion gapとは血漿において、{~主な陰イオンが主な陽イオンよりどれだけ多いか~=主な陽イオンが主な陰イオンよりどれだけ多いか} の定量である。  
 


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anion gapとは血漿において {=主な陰イオンが主な陽イオンよりどれだけ少ないか~主な陽イオンが主な陰イオンよりどれだけ少ないか} の定量である。  
anion gapとは血漿において、{=主な陰イオンが主な陽イオンよりどれだけ少ないか~主な陽イオンが主な陰イオンよりどれだけ少ないか} の定量である。  
 


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anion gapの定義は {=Na<sup>+</sup>~Cl<sup>-</sup>~HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>} {~たす~=引く} {~Na<sup>+</sup>~=Cl<sup>-</sup>~HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>} {~たす~=引く} {~Na<sup>+</sup>~Cl<sup>-</sup>~=HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>}である.
anion gapの定義は、{=Na<sup>+</sup>~Cl<sup>-</sup>~HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>} {~たす~=引く} {~Na<sup>+</sup>~=Cl<sup>-</sup>~HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>} {~たす~=引く} {~Na<sup>+</sup>~Cl<sup>-</sup>~=HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>}である。
 


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anion gapは {~揮発性酸~=「糸球体からろ過される不揮発性酸」~尿細管から分泌される不揮発性酸} の {~直接的測定値~=間接的指標} である.
anion gapは、{~揮発性酸~=「糸球体からろ過される不揮発性酸」~尿細管から分泌される不揮発性酸}{~直接的測定値~=間接的指標}である。
 


//LEVEL:3  
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//RAND  
//RAND  
血漿のH<sup>+</sup>が増大することが主な病態では、anion gapは {~増大する~=不変である~減少する}。  
血漿のH<sup>+</sup>が増大することが主な病態では、anion gapは{~増大する~=不変である~減少する}。  
 


//LEVEL:3  
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血漿のH<sup>+</sup>が減少することが主な病態では、anion gapは {~増大する~=不変である~減少する}。  
血漿のH<sup>+</sup>が減少することが主な病態では、anion gapは{~増大する~=不変である~減少する}。  
</GIFT>
</GIFT>

2023年3月16日 (木) 00:10時点における最新版

POINT!


すなわち、細胞外液である血漿において主な陽イオン(Na+)とくらべて、主な陰イオン(Cl- と HCO3-)がどの位少ないか?主な陰イオン(anion)は主な陽イオンと比べてとの位ギャップがあるか?の定量であります。


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POINT!


このうち、最多はAlbuminです。Albuminは負に帯電しているのです。この部分だけ、量の方向が90度回転しています。anion gapの絶対値は破線の間であり、このデータですと、152-113-27=12mEq/LH2Oです。anion gapを構成する全物質の合計量は16+6+1+2=25mEq/LH2Oであり、各物質のanion gapに対する寄与率は各物質の横幅に比例します。

(有機酸とは炭素Cを含む酸、すなわち、乳酸とケトン体です。)


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POINT!


上記のデータは正常範囲内です。


POINT!


「糸球体からろ過される不揮発性酸」が増加すると、anion gapも増加します。「糸球体からろ過される不揮発性酸」が増大するアシドーシスの場合:たとえば、腎不全によって「糸球体からろ過される不揮発性酸」が排泄できない場合、anion gapは増大します。「糸球体からろ過される不揮発性酸」が増大しないアシドーシスの場合、たとえば、下痢によるHCO3-減少の時、anion gapは増大しません。


Challenge Quiz

1.

anionとは、 陽イオン 陰イオン である。

2.

anion gapとは血漿において、 主な陰イオンが主な陽イオンよりどれだけ多いか 主な陽イオンが主な陰イオンよりどれだけ多いか の定量である。

3.

anion gapとは血漿において、 主な陰イオンが主な陽イオンよりどれだけ少ないか 主な陽イオンが主な陰イオンよりどれだけ少ないか の定量である。

4.

anion gapの定義は、 Na+ Cl- HCO3-   たす 引く   Na+ Cl- HCO3-   たす 引く   Na+ Cl- HCO3- である。

5.

anion gapは、 揮発性酸 「糸球体からろ過される不揮発性酸」 尿細管から分泌される不揮発性酸 直接的測定値 間接的指標 である。

6.

血漿のH+が増大することが主な病態では、anion gapは 増大する 不変である 減少する

7.

血漿のH+が減少することが主な病態では、anion gapは 増大する 不変である 減少する